留学大図鑑 留学大図鑑

外山由季

出身・在学高校:
宮崎南高校
出身・在学校:
宮崎大学大学院
出身・在学学部学科:
農学専攻応用生物科学コース
在籍企業・組織:


最終更新日:2023年02月17日 初回執筆日:2023年02月17日

ハスカップを温暖地に広める開拓者となる!

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • サスカチュワン大学 Plant Science
  • カナダ
  • サスカトゥーン
留学期間:
1年
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,120,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

私は寒冷地域に生息し不老長寿の秘薬とされる「ハスカップ」を南九州でつくり、それを用いた農業ビジネスを展開したいと思いカナダのサスカチュワン大学で研究留学をしました。
ハスカップは北米等の寒冷な地域に生息しており、健康に良いポリフェノール等の機能性成分が多く含まれています。超高齢社会を迎えている今、その機能性に注目する企業が増え、加工食品として販売されるなど、需要が高まっています。しかし現在国内では北海道等の限られた土地で少量の栽培があるのみで、これまで宮崎のような温暖地で育った成功例はありませんでした。その中で私が所属している宮崎大学農学部研究室圃場で北海道大学から導入したハスカップを育てたところ、2019年5月に数粒であるが初めて着果に成功しました。これは私の知る限り九州では初の事例でした。
紫外線の多い宮崎県でハスカップの栽培に成功すれば北海道産よりも機能性成分の増加が期待でき、ガン細胞増殖を抑制するなど高付加価値な果実の生産が可能になります。その実現のためには温暖地に適した品種選別が必須ですが、品種数が少ない日本ではこれ以上の総括的な選別及び技術習得は困難でした。
その実現に向けてハスカップ研究の第一人者で、温暖な気候に適した育種・栽培技術を研究しているカナダのサスカチュワン大学植物科学科Bob Bors教授の下で以下の3つの実践活動を行いました。
①暖地性ハスカップの育種・栽培法習得
肥料・土壌の種類、繁殖方法など暖地性ハスカップの育種・栽培法を学習しました
②遺伝資源学的調査及び機能性成分分析
大学圃場だけでなく、カナダ諸州及び米国オレゴン州立大学川合教授を訪問し、より多くのハスカップの果実形質などを調査しました。
③起業のための農業ビジネスに関する知識の習得
積極的に農園を訪れ、その経営手法について調査しました

留学の動機

留学をしたいと思ったきっかけは高校生の時に海外研修です。初めての海外で行ったアメリカのロサンゼルスは当時の私にとって何もかもが刺激的でした。それから「いつか留学できるといいな」とずっと思っていました。そんな時に現在所属している宮崎大学の植物遺伝育種学研究室に配属され、ハスカップに出会いました。この魅力的な果実をもっと勉強したい、そう思いトビタテ留学ジャパンに応募しました。

成果

肥料・土壌の種類、繁殖方法など暖地性ハスカップの育種・栽培法を習得できたので、それを活かし宮崎大学圃場にて実際に試験的に栽培を行っている。また様々な品種を知ることができ、それを日本でも購入することができたため得られた知識を活かしそれらの品種を様々な環境下で栽培を試みている。

ついた力

コミュニケーション力

私はカナダで農園の経営手法について学ぶため多くの農園を訪れたいと思っていました。コネクションは全くありませんでしたが研究室のメンバー等の力を借り、農園を訪れました。そこでハスカップについて学びたいことを伝えるとその農家さん等が他の農園を紹介してくれ、最終的に「ハスカップを学びに来た日本人」として多くの農家さんと繋がることが出来ました。このように初めて会う方でも話すコミュニケーション力がつきました

今後の展望

今後の展望としては、ハスカップを宮崎県で栽培してみたいと思っております。これは大変なことかもしれません、成功しないかもしれません。しかしそれはやってみないと分からないと思います。仕事をしながらですが、愛を込めて栽培したいと思います。

留学スケジュール

2021年
9月~
2022年
8月

カナダ(サスカトゥーン)

肥料・土壌の種類、繁殖方法など暖地性ハスカップの育種・栽培法を学習しました。さらに積極的に農園を訪れ、その経営手法について調査しました。
ほとんどを研究室か圃場にて過ごしました。冬の間は圃場に出ることが出来なかったため組織培養などクリーンベンチを使った実験を多くしていました。ハスカップ収穫時期にはサスカチュワン大学でハスカップフィールドデーが行われ、多くの農家さんが訪れました。このようにハスカップを勉強するには最も良い場所だと思いました。
大学は17時ごろ終わっていたのでその後に友人とご飯に行ったり、土日はキャンプしたりとプライベートも充実していました。

費用詳細

学費:納入総額

38,500 円

住居費:月額

700,000 円

生活費:月額

90,000 円

クリーンベンチにて組織培養をする写真
収穫されるハスカップ
友人とロッキー山脈をキャンプ
費用詳細

学費:納入総額

38,500 円

住居費:月額

700,000 円

生活費:月額

90,000 円

スペシャルエピソード

留学前後での、自分の変化

私が留学する前は人と比べることが多く、大企業に入ることが一番自分が幸せになれる方法だと思っていました。しかし留学中に多くの人と出会うことで私の考え方が大きく変わりました。私は多民族国家のカナダに留学していたので様々な宗教や考え方を持つ人に会う機会がありました。そんな中で皆、自分自身を大切にし、自分に合った幸せを求めて暮らしていることに気づきました。そこで自分が一番幸せと感じる瞬間はどんな時だろう、と考えることが出来ました。帰国後、人と比べることはせず、自分自身が幸せと思った人生を歩みたいと思うことが出来ました。このことに気づけたことは私にとって良いことだと思っています。

休日にサスカチュワン川でカヤッキング

VISAの手続きは分からなければすぐに聞く!

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

私はトビタテに採用される前からカナダ入国のためのVISAの手続きを開始していました。今まで手続きをしたことがなかったので、必要書類が想像より多く大変でした。まず受け入れ大学からの正式な受入許可証。これを受け取るのに日本の手続きの2倍の時間はかかりました。そこでも大変でしたが、入国予定日2カ月前にVISAの申請をしたにも関わらず入国二週間前になっても連絡が来ませんでした。そのため直接VISAの機関にメールをすると翌日にVISAが降りました。メールをすることですぐに対応してくれたので入国日を変更しなくて済みました。しかし本当にギリギリだったので半年前から準備することをお勧めします。もし私のように時間が間に合わない時には直接連絡をしてみるのもいいかもしれません。

VISAの手続きは分からなければすぐに聞く!

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

私はトビタテに採用される前からカナダ入国のためのVISAの手続きを開始していました。今まで手続きをしたことがなかったので、必要書類が想像より多く大変でした。まず受け入れ大学からの正式な受入許可証。これを受け取るのに日本の手続きの2倍の時間はかかりました。そこでも大変でしたが、入国予定日2カ月前にVISAの申請をしたにも関わらず入国二週間前になっても連絡が来ませんでした。そのため直接VISAの機関にメールをすると翌日にVISAが降りました。メールをすることですぐに対応してくれたので入国日を変更しなくて済みました。しかし本当にギリギリだったので半年前から準備することをお勧めします。もし私のように時間が間に合わない時には直接連絡をしてみるのもいいかもしれません。

留学前にやっておけばよかったこと

英語を自信を持って話す練習。私はあまり前に出る性格ではないので、留学開始した時期は受け身でした。しかし自信を持って話すことで彼らは必ず話を聞いてくれることに気づきました。留学開始直後から自信を持って話すことが出来ていれば変わっていたのかな、と少し思います。

留学を勧める・勧めない理由

留学を勧めます。視野が広がりますし、私の場合は考え方も大きく変わりました。しかしそれ相応に大変と思うことも必ず出てくると思うので、どんなこともポジティブに捉えることが大切だと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

これから留学へ行く方へ。思う存分、楽しんできてほしいです。そこは新しい環境で辛いこともあるかもしれませんが、何とかなります。自信を持って英語を話し、日本人であることに誇りを持ってください。そして気候や食べ物が違うこともあると思うので体調を崩さないように、自分のペースで頑張ってください!