留学大図鑑 留学大図鑑

森田 紀

出身・在学高校:
アレセイア湘南高等学校
出身・在学校:
文教大学
出身・在学学部学科:
情報学部メディア表現学科
在籍企業・組織:

留学先のリサーチは全て自分で行いました。そこでフォルケホイスコーレを知り、アルバニアの活動先も自力で探したました。フォルケ留学やアルバニア留学、映画/映像系留学を検討している方はご連絡ください!


最終更新日:2024年05月10日 初回執筆日:2024年05月10日

海外で映画を作る!〜英語力0から監督に〜

留学テーマ・分野:
専門留学(スポーツ、芸術、調理、技術等)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • European Film College (Den Europæiske Filmhøjskole) / Emozione Campzone
  • アルバニア・デンマーク
  • エーベルトフト・バクスリヨール
留学期間:
1年
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,000,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル<英検3級> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

将来はドキュメンタリー映画制作を中心に据えた国際協力に携わりたいと考えており、中でも日本でも学んでいた映像制作の学びを深めることを目的に映画留学を行いました。
留学していたデンマークの映画学校であるEuropean Film Collegeに在学中は、毎月2作以上のペースでショートフィルムの制作を行うというスピード感とボリュームで活動していました。
後半は映画学校で学んだ経験を活かして、実際の現場で映像を活用することを目的にアルバニアにある団体でPVを作る活動をしていました。
活動先は首都のTiranëからバスを乗り継いでようやく辿り着く、Baks-Rrjollëというモンテネグロの国境に近い地域でした。
アルバニアの中でもマイナーな地域を選んだのは、元々多くの人が知らない世界を映像を通して伝えたいという思いがあったので、日本人にとって馴染みの薄い国に住んでみよう、そしてそこから映像を発信しようと考えたからです。
滞在中は空き時間を活用してアルバニアで出会った人々や自然をテーマにドキュメンタリー作品を制作していました。

留学の動機

日本の大学でも映像を学んでいたものの、コロナによって全てオンライン授業となったため物足りなさを感じていたところ、海外では既に対面の授業を再開しているところがあると知りました。
将来は海外で映画制作を行いたいという夢もあったこと、コロナで学びの機会をこれ以上失いたくないという思いが動機となり20カ国以上から学生が集まる多国籍な映画学校への長期留学に挑戦しました。

成果

在学中にドキュメンタリー、ドラマ、アート映画を4作品を監督し、テクニカルでの参加作品を含めると14作の制作に携わりました。留学当初は言葉の壁にぶつかり、正直映画制作どころではなかったのですが諦めずに録音した授業を毎晩聴き直したり友人に助けてもらっている中で、留学4ヶ月目に初Directingまで漕ぎ着けることができました。

ついた力

何にも動じない力

日本人が全くいない環境だったため、現地で何かトラブルがあった際に1人で対処しないといけないという機会が多くあったことで、問題解決能力の向上と同時に少しのことでは動じない強さが養われました。
特にアルバニアのことは調べても情報が少なく、周囲の人の力を借りたり自身で解決方法を見つけて乗り越えたという経験は強みになったと感じました。

今後の展望

将来はドキュメンタリー映画でオスカーを獲ります!

留学スケジュール

2021年
8月~
2022年
5月

デンマーク(エーベルトフト)

日本でも学んでいた映像制作の学びを深めることを目的に、European Film Collegeへ映画留学を行いました。
留学先の映画学校では知識や理論の座学だけではなく、実践的な活動を中心に基礎から応用まで8ヶ月半で学ぶことができ、在学中は毎月2作以上のペースでショートフィルムの制作を行いました。

日本の学校と違う点は、何をするにも全て本人の意向に任せているところです。
この学校は試験や成績がないため、本当に作りたいものを追い求めたり自分の作品制作に没頭することができる点が魅力的でした。
また、全寮制で学内に寮が併設されていることから深夜まで校舎内の映画館で映画を鑑賞したり、いつでも撮影や編集ができたり、友人とアイデアの交換を行うことができるという24時間映画漬けの環境にも恵まれており、毎日が刺激的な場所でした。

費用詳細

学費:納入総額

1,700,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:

1,700,000 円

ロケ地での撮影風景。全て学生で行います
映画の撮影っぽいですよね
作品を一本撮り終えた時に撮ったクルー全員での記念写真です
費用詳細

学費:納入総額

1,700,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:

1,700,000 円

2022年
5月~
2022年
6月

アルバニア(バクスリヨール(ヴェリポイェ))

映像制作のスキルを実践的に活用するため、アルバニアの北の都市、Shkodërから車で40分ほどのBaks-Rrjollëというモンテネグロの国境に近い場所にある現地の団体にてPV制作の活動を行っていました。
更地の土地からエコキャンプ場を作るというプロジェクトに中東やヨーロッパから数人のボランティアが参加しており、それぞれが自身の得意分野でオープンに向けてキャンプ場を作り上げていました。
自身は広報用の動画制作をメインで行っていましたが、他にも写真とホームページ制作をメインで行なっている仲間や、元大工のスキルを活かして電線を引き込んだり、木材からトイレを作ったりしている仲間もおり、学ぶことの多い環境でした。

活動先周辺は電力供給も滞りがちで道路も舗装されておらず、公共交通機関も通っていない地域だったため、移動は基本的に徒歩かヒッチハイクという環境でした。
そのため商店も近くにはなく、陸路で16kmほど離れたスーパーマーケットまで、海岸をしばらく歩いて海を数kmある対岸まで泳ぐと近道になると言っていたツワモノもいました。

アルバニアでの実践活動では毎日決められた時間無償で働く代わりに、ホストから寮や食料を支給されるという条件で数人が同時期に現地で活動していましたが、受け入れ先機関の資金難の影響で寮の家賃が払えずに追い出され野宿を強いられたり、食料の支給が滞りがちになっていくというトラブルに遭遇しました。
数日のうちに自分とトルコ人の友人以外の全員が辞めていってしまう中、ここに残るか、これから新たな活動先を探すか悩んでいましたが、自身も害虫による体調不良が深刻だったため、一度帰国して治してから再度渡航することを決断しました。
当初は3ヶ月の予定でしたが様々な事情から活動の継続が困難となり、1ヶ月での帰国となってしまったというトラブルがありました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ドローンで撮った活動先の写真。未開発の土地が広がっていました
未舗装の道路には牛・羊・豚・犬・亀等、野生動物が沢山いました
空き時間にタトゥーを彫っている仲間もいました
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2022年
11月~
2022年
12月

デンマーク(エーベルトフト)

アルバニアで当初想定していた実践活動ができなくなってしまったため、一番最初に留学をしていたデンマークのEuropean Film Collegeにて、インターン生として2022−23年度の学生の作品制作のサポートをしていました。
1年制の学校のため毎年学生が入れ替わることから、自身が在籍していた年度とは全く違う雰囲気が刺激的でした。
活動内容は主に撮影現場での技術的なサポートや編集の手助け、撮影で使用する機材を学生のリクエスト表を元に用意したり、機材メンテナンスを行ったりしていました。
これまでは映像制作について独学で学んだり学校で教わるという経験しかしてこなかったので、自分の知っているものを教えるということが初めてでした。
編集ソフトの使い方や機材の使い方について聞かれるだけでなく、制作中に行き詰まっている学生の「ここの演出をどうしたら良いか」といった相談に対して一緒に考えたり、アドバイスをすることの難しさを学んだ2ヶ月間でした。それでも頑張って学生が作り上げた作品を学内の映画館でプレミア上映した時にはその学生の努力の重みを感じると同時に達成感がありました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

Actingの授業のサポートとしてカメラ担当で入った時の様子
学生の作品撮影時に照明のサポートを行った時の様子
学校のSNSに掲載する広報用のキャンパス撮影も行いました
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

European Film Collegeへ留学中、想像以上に言語の壁に苦しみ、英語が分からないと何もできないと色々諦めてしまっていた時期がありました。そんな時にノルウェー人の映画監督の先生に「Sergio Leoneって知ってる?」と言われたことがとても印象に残っています。
イタリアの映画監督であり英語を話すことができなかったSergio Leoneは、ジェスチャーでスタッフと意思疎通を図ったり、実際に自らが演じることで俳優に動きを指示していたということを聞きました。
「コミュニケーションの方法はいくらでもあるのだから、言葉がうまく通じないというのを理由に諦めるのではなく今やりたいことをやる方法を探しなさい」というメッセージを伝えてくれたのと同時に、毎日のハードスケジュールの中で自分でも見失いかけていた映画を作るという留学の目的を思い出させてくれました。
空き時間を利用して次にDirectingをする作品の脚本の読み込みを一緒にしてくれたり、演出の方法だけでなく、他のスタッフや俳優のケアの仕方といった監督として必要なマインドを育ててくれたりと、今まで出会った人の中で、人間としても監督としても一番目指したいと思った人でした。

留学して初めてDirectingを務めた作品
学校の1日のスケジュール
デンマークでの2作目の撮影クルーと

早めの行動/先方に催促することは悪いことではない!

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

デンマークでは8ヶ月半映画学校へ通う予定だったため、ST1という留学生用のVISAを取得しました。
ST1のVISAの取得は基本的にオンラインで進められ、留学先の学校に記入してもらう箇所を先に埋めてもらった後に自身で残りの箇所を記入し、都内の施設にて対面で手続きをするという流れでした。
自分の場合は学校側から指示されたVISA申請のオンラインの入力フォームにログインができず、急遽紙で(全て手書き)申請用紙を作ることになったため改めて記入を終えた先方のフォームを国際郵便で送ってもらい、届いた用紙にその後記入をしました。
当時はコロナの影響で出入国の要件が今よりも厳格で、VISAが確実に渡航前に手元にないと留学できないという状況だったため手続きは全て余裕を持ったスケジュールで行っていたことで難を逃れました。
重要なことは留学先としっかり連絡を取り合うこと、また必要な書類がなかなか届かないという時には、いつまでに用意して欲しいかを伝えることでトラブルを防ぐことができると思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学先の映画学校では特に卒業制作でのDirector志望の学生が多くいたため、作品のプレゼンを行って制作できる映画が選出されました。英語が全然話せないDirector志望の日本人留学生に対して、英語やデンマーク語が話せるかどうかは大した問題ではなく、作品に対する熱意や作品の中身の方が大事だとGoサインをもらった時は本当に嬉しかったです。できないことを理由に留学を諦めずにまずは飛び込んでほしいです。