留学大図鑑 留学大図鑑

松岡あさひ

出身・在学高校:
I-Shou International School
出身・在学校:
岡山大学
出身・在学学部学科:
医学部医学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2024年05月15日 初回執筆日:2024年05月15日

ラテン文化と柔軟な姿勢で網膜疾患に挑む

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Centro Andaluz de Biología Molecular y Medicina Regenerativa (CABIMER)
  • スペイン
  • セビリア
留学期間:
2カ月半
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 430,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
スペイン語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル

留学内容

網膜色素変性症の原因遺伝子の一つとして知られるEYS遺伝子の働きについて、オートファジーとの関連を調べるために実験を行った。仮説を立てて実験をデザインし、結果の考察を通じて仮説を調整してまた実験を行うことを繰り返す中で、研究における思考法や姿勢を学んだ。
また、網膜疾患全体の現状についての理解を深めるために、他の網膜研究に関する論文を読んだり、学会に参加して勉強したりする時間も積極的に取った。特に学会への参加では、シートを使った最新の治療法や今後に向けて注目されているアプローチなど多くのことを学ぶことができた。
国際性向上のために現地でインテルカンビオに参加したり、レジデンスで出会った世界中からの学生たちと交流会を開催した。インテルカンビオでは南ヨーロッパ地域の人々の働き方や休日の過ごし方などのライフスタイルを主に知ることができた。また、レジデンスでの交流会では、より深く掘り下げた感覚や考え方について話し合うことができた。

留学の動機

父の影響もあり、もともと栄養と健康などの予防医学に興味があった。その時にスペインの研究チームから、地中海食が網膜疾患の発症予防と症状緩和に関係があるとの成果が発表され「これだ!」と思った。またその研究チームの他の論文も読み、斬新で柔軟な研究マインドに「私もこうなりたい」と強く思った。フラメンコをきっかけにスペインが大好きであったことも合わさり、行くしかないと決心した。

成果

EYS遺伝子とオートファジーの関連を調べる研究プロジェクトに参加し、EYSの機能について論文発表に向けて仮説を立てることができた。スペインのラテンな文化について学び、仕事をはじめとして物事への取り組み方のアイディアを得ることができた。南欧を中心に人々の考え方、感じ方、価値観の特徴を知ることができた。

ついた力

のんびり力

「〜しなきゃ」「〜できなきゃ」ではなく、「〜したいから」行動するようになった。また、無理しすぎず、「大変だしやることもいっぱいあるけど、とりあえず一旦休憩しよう」というようにどのような時でもストレスフルになりすぎず、必ず自分を休める時間をしっかり取る。

今後の展望

医療に関わる分野だけとしても、臨床と研究以外にもさらに知らない世界が広がっていることを思い知らされた。そして、様々な柔軟な働き方を目の当たりにし、自分のキャリアパスについて考えさせられた。「可能性を捨てない」というなりたい自分像のためにも、このような新たに知った世界を経験したい。異なる世界で異なる視点で医療を見つめ、自分だからこそのアプローチを探りたい。

留学スケジュール

2023年
10月~
2023年
12月

スペイン(セビリア)

セビリアの研究施設で2ヶ月半の間インターンシップを行った。週5日、毎日8時間程研究プロジェクトに参加し、自分で実験をデザインから実施、結果の分析考察まで行った。短期間の研究活動ではあったが、研究において成果につながる明確な「違い」を得ることの難しさを身をもって感じた。一方で、結果の考察の過程で様々な可能性を考慮し、仮説を調整してそれぞれどうであるか確かめるために実験を行う、という研究における思考法、姿勢を学ぶことができた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

インターンシップを行った研究施設(CABIMER)
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

あなたにとって留学とは?

今回の体験を通して留学の持つ力を改めて実感することができた。私は高校時代の3年間、単身で台湾に留学し、自分の弱さやできなささを思い知らされ、それでも何とかしなくてはと、自分自身と向き合い戦った。そしてこの経験による成長を自分で誰よりも自覚していたからこそ、今回のスペインではこれを武器にして、より高くへ挑戦することができると信じていた。しかし実際に現地で研究活動を始め、すぐに自分が成長したのと同時に自分が立っているフィールドも一段階上がっていることに気づいた。以前の経験で得たものは持っている前提で、新たに別のものを求められる環境に置かれ、改めて自分の弱さや無力感と向き合うことになった。そしてこの経験から自己理解をさらに深め、自分自身のコントロールをつける術も身につけることができた。留学では否が応でも自分のconfort zoneから出ることになり、自分のできることできないこと、好きなこと嫌なことを有無を言わさず突きつけられる。そこでは、いかに自分を知っていると信じていたとしても、必ず何かしら新たな気づきがあり、それを強く自覚させられる。そしてこの気づきを克服するなり、受け止めるなり、活用するなり、内省することで一回りも二回りも大きくなっていく。このように留学とは、それがどのタイミングのどのような形のものであったとしても、必ず何か発見があり、成長があるものなのだと改めて心から感じた。

実験が上手くいかず落ち込みながら帰った日の帰り道

スペインでは思っていた以上に英語が通じない

  • 語学力 : その他の言語

留学先であったセビリア県はスペイン南部に位置する人口約70万人の都市で、スペイン第4位の都市と言われている。前からスペイン語に興味があり、留学前にも練習をしていたが、ヨーロッパということである程度の人が英語も話すのであろうと勝手に考えて油断していた。しかし実際に行ってみると、想像よりも小さな町でほとんど英語が通じず、かたことのスペイン語での会話を強いられた。また、これに加えて南部のスペイン語はスピードが速かったり、語尾まではっきり発音しなかったりと訛りが強く、標準的なスペイン語の練習ではだめだと悟った。そこで、とにかくその訛りに慣れるために地元の人のスペイン語を聞くようにした。時間がある時はできるだけ人が集う場所で会話を聞き、耳をならすようにした。

これから留学へ行く人へのメッセージ

頑張れるのであれば頑張る。頑張れなくなったら無理せず休憩する。これを繰り返しているうちに向き不向きや得意不得意など、自分の性質が分かってくる。留学では日々新しい文化や価値観などに触れ、学び、どんどん視野が広がっていくと思う。しかし、ぜひ外だけでなく、内側にある自分自身にも目を向けて欲しい。自分と向き合いながら自己理解を深めることで、広いだけでなく洗練された視点や考え方を持つことができるはずである。