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榊原彩智

出身・在学高校:
桜蔭高等学校
出身・在学校:
出身・在学学部学科:
在籍企業・組織:


最終更新日:2024年06月14日 初回執筆日:2024年06月14日

カンボジアで学ぶ子どもの貧困と医療の課題

留学テーマ・分野:
短期留学(3か月以内、語学・ボランティアなど各種研修含む)・海外ボランティア
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Projects abroad cambodia
  • カンボジア
  • プノンペン市近郊
留学期間:
3週間
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 210,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<英検準1級> 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル

留学内容

「すべての人に健康と福祉を~カンボジアで学ぶ子どもの貧困と医療の課題~」をテーマに、最初の2週間はチャイルドケアボランティア、残りの1週間は公衆衛生インターンシップに参加して、カンボジアの教育や医療の現状と課題を知り、今の自分、将来の自分に何ができるかを考るため、留学することにしました。
<チャイルドケアボランティア>
カンボジアの首都であるプノンペン市の中心部から車で約1時間の現地の学校で活動しました。午前は小学校中学年の子どもたちに、割り算や積み木算、簡単な日本語のあいさつを教えたり、一緒に折り紙をしたりしました。午後は壁のペンキ塗りなどを行い、校舎の修繕を行いました。
<公衆衛生インターンシップ>
プノンペン市やその近郊の医療環境が整っていない地域に、医療スタッフと一緒に出向き、地域住民の健康診断や投薬の手伝いをしたり、現地の学校で小学生たちに熱中症の予防方法について授業を行ったりしました。

留学を通して、カンボジアは、都市部は急速に発展している一方で、地方によっては依然として、教育や医療がままならないことが分かりました。また、カンボジアの子どもたちの明るい笑顔に触れて、将来は世界の子どもたちの助けになりたいと強く思うようになりました。

留学の動機

留学を志したきっかけは、カンボジアで地雷除去活動を行う日本人のドキュメンタリー映画を観たことです。カンボジア内戦の爪痕が今でも人々の生活に暗い影を落としていることに強い衝撃を受け、カンボジアの現状を、特に子どもの貧困や医療の面から、自分の目で見てみたいと思うようになりました。

成果

決して恵まれているとは言えない環境の中でも、懸命に学び、元気に過ごすカンボジアの子どもたちに私の方がたくさん勇気づけられ、人の幸福は国の豊かさや経済の発展とは別のところにあるのではないかと感じました。また、将来は医療支援など何らかの形で、世界の子どもたちが笑顔でいられるように手助けをしたいという思いを持つようになりました。

ついた力

自分の目で見て考え、行動する力

現地に行かなければ分からないことは多くあり、実際に行って自分の目で見て考えることは、現在、そして将来私にできることを探すうえで、何よりも大切だと思いました。また、身をもって知ったことは机の上だけで学んだことよりも深く心に刺さり、今後の人生を変えるようなかけがえのない経験になると感じました。

今後の展望

活動を通して、カンボジアの医療は急速に発達しているものの、地方では依然として、病院の数や医療物資が不足していることも分かりました。また、カンボジアに限らず、人口が急増している多くの国で、小児医療がひっ迫しています。将来は小児科医となり、日本の小児医療をより良くするとともに、医療を通して世界中の子どもたちに笑顔を届けたいです。

留学スケジュール

2023年
7月~
2023年
8月

カンボジア(プノンペン市とその近郊)

最初の2週間は、チャイルドケアボランティアに参加し、世界各国から集まった高校生ボランティアと共に、プノンペン市の中心部からバスで1時間くらい離れた学校に通って、午前中は授業やレクリエーションを、午後は校舎の修繕を行いました。私のグループは小学校4年生のクラスを担当し、1日3時間授業をしました。授業の内容は自由なので、前日にグループで話し合ってやることを決め、自作のプリントや工作の材料を用意するなど、毎晩遅くまで準備しました。住居は現地のホテルで、日本人の子とルームシェアをしました。留学前はカンボジアの生活環境に不安を感じていましたが、トイレやシャワー、エアコンなどに問題はなく、食事も美味しかったです。買い物や、外食の際には現地のスタッフが付き添ってくださったので、安心して過ごすことができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

クラスの子どもたちとの集合写真
授業風景
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2023年
8月~
2023年
8月

カンボジア(プノンペン市とその近郊)

残りの1週間は公衆衛生インターンシップに参加しました。世界各国の大学生や高校生と一緒に、医療環境が整っていない地域へ現地の医療スタッフと出かけていき、ボランティアで健康診断を行いました。体温や血圧、血糖値などを測定して記録したり、症状や検査結果に合わせて、薬を提供するサポートをしました。また、現地の学校で熱中症について授業をする機会もありました。住居はボランティア寮で、日本人の高校生と大学生、イギリス人の高校生と4人でルームシェアをして過ごしました。食事は寮母さんが朝食やお弁当を作ってくださったのですが、日本人の口にもあう美味しいメニューでした。買い物や外食の時は、自分たちでトゥクトゥクを呼んで出かけることもあり、現地ならではの生活が体験できてとても良い経験になりました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ヘルスチェックの様子
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

カンボジアでは1970~1990年代にかけて内戦が続き、ポル・ポト政権時代には200~300万人もの人々が虐殺されました。私は今回の留学で、この国の「暗黒の歴史」と現在の姿を、自分の目で見て平和についても考えたいと思っていました。実際に、内戦の爪痕がいまだ生々しく残るトゥールスレン虐殺博物館やキリング・フィールドを訪ねた時には、あまりの悲惨さに言葉を失いました。この戦争で亡くなった小さな子どもや外国人も含め、多くの犠牲者たちの写真が展示されていたからです。博物館はかつて収容所となっていた場所でもあり、大切な人の最期の姿を探しにこの地を訪れた遺族は、どのような気持ちで写真を眺めたのだろうと考えると、心が締めつけられました。現在は緑豊かな広場となっているキリング・フィールドですが、今でも雨期になると地表に遺骨が現れるそうです。足下にまだ多くの犠牲者が眠っていることを知り、「暗黒の過去」と「穏やかで平和な現在」の対比が、かえってその残酷さを強調しているように感じました。カンボジアに行く際には、この2つの場所を訪ねることをおすすめします。カンボジアの歴史を知ることは、自分を、世界を見つめ直すきっかけになると思います。

トゥールスレン虐殺博物館
キリング・フィールド
慰霊塔に保存されている多くの犠牲者の遺骨

言葉の壁を越えて

  • 語学力 : 英語

留学中、ボランティアスタッフの説明や海外のボランティア仲間とのコミュニケーションは、全て英語で行われました。英語があまり得意でなかった私は、留学当初、スタッフの少し現地なまりのある英語や外国人から参加しているボランティア仲間の会話を十分に聞き取ることができず、自分の伝えたいことを英語で表現できずに苦労しました。しかし、分からないときはただ黙っているのではなく、自分から聞き直すことで次第にコミュニケーションが取れるようになりました。また、移動中や隙間時間に外国人ボランティアやスタッフに自分で話しかけたり、日本人のボランティア仲間とも英語で会話したりすることで、次第に英語が自然と出てくるようになりました。たとえつたない英語であっても、相手の伝えたいことを理解しようとし、自分から積極的に話せば、言葉の壁を乗り越えられることが分かりました。英語だけの3週間の留学生活を乗り越えられたことは、大きな自信になりました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

今回の留学は私にとって、価値観や将来にも影響を及ぼす、かけがえのない経験になりました。生活や言語の面で留学に不安を抱えている方も多いと思いますが、留学にまつわる全てのことを楽しもうという気持ちさえあれば、うまくいかないことがあっても乗り越えられると思います。現地でしか学べないこと、そこでしか出会えない人やモノはたくさんあります!留学を迷っているならぜひ、一歩踏み出してみてください!