留学大図鑑 留学大図鑑

常田千尋

出身・在学高校:
北海道立函館中部高等学校
出身・在学校:
千葉大学
出身・在学学部学科:
国際教養学部国際教養学科
在籍企業・組織:

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最終更新日:2024年09月04日 初回執筆日:2024年09月04日

高度人材を招き・支えるための留学!

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • 王立プノンペン大学外国語学部国際関係学科、カンボジア日本人材開発センター(CJCC)、日本国際協力センター(JICE)、国際交流基金プノンペン連絡事務所
  • カンボジア
  • プノンペン
留学期間:
10ヶ月
総費用:
1,400,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,350,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<IELTS 6.5、英検準1級> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<IELTS 6.5、英検準1級>

留学内容

留学全体を通して、日本に留学する学生や、就職を目指す人たちがどのように日本文化を受け止め、渡日に向けて準備しているかを知るために活動しました。日本への留学生や、日本に就職する外国人の方が増えるのと同時に、適切な支援も必要になると考えたため、日本の視点だけでなく、違う国からの視点で国際社会を見つめることを目指して交換留学では、国際関係について学びました。大学でカンボジアの視点から国連やASEANに関しての学びを深めるとともに、実践活動では複数の機関でインターンを行いました。日本とカンボジアの友好関係を築くイベントの運営に携わり、日本文化の発信のされ方を自分のめで確かめました。他にも、日本とカンボジアのつながりを感じるイベントに携わり、実際に日本への留学を目指す学生とも交流の機会を多く持ちました。

留学の動機

短期留学経験後、長期留学を志すのと同時期に、外国にルーツを持つ子どもたちが日本の高校進学を目指して学習するフリースクールでのインターンを開始し、日常生活の中で文化の違いなどから困難を抱いている彼らを目の当たりにしました。彼らを支援することを考えると、私には日本だけでなく、彼らの背景を含む、違う観点から日本や国際社会を見つめる機会が必要だと考え、国際関係を学びながら実践活動を行う留学を計画しました。

成果

留学を通してさまざまな経験を得ることができました。中でも、大学で共に学んだクラスメイトとは、将来のことを話す貴重な時間を過ごしました。実践活動では、小規模から大規模なものまでさまざまなイベントに携わることができ、カンボジアから日本の社会や文化を見つめる経験をしました。自分を「外国人だ」と感じる環境で活動を行い、自分のこれからの活動の際の自らの振る舞いを考えるきっかけになることも多く経験しました。

ついた力

笑顔でコミュニケーション、奮い立たせ力

笑顔でコミュニケーション力は、友人がいなかったカンボジアで心細く感じても、笑顔でコミュニケーションを心がけることでコミュニティを広げ、温かい雰囲気で授業に参加、実践活動を行うことができました。
奮い立たせ力は、留学中は気分が落ち込むことや心が弱くなってしまうことも多くありましたが、その機会を逆にモチベーションに変えて次の活動に打ち込む力を付けたと思います。

今後の展望

今後は、カンボジアを含むASEAN諸国と日本の繋がりについてより知識を深め、アジア諸国と日本を繋ぐ架け橋となる人材に成長したいです。
今回留学で身につけた経験や力を活かしながら、留学前に行っていたインターンにより一層力を入れつつ、院進も視野に入れて国と国の繋がりを学び、国際社会で活躍する人になりたいです。

留学スケジュール

2023年
12月~
2024年
4月

カンボジア(プノンペン)

王立プノンペン大学外国語学部国際関係学科で1セメスターの間、交換留学生として授業を受けました。また、11月から既に実践活動に参加しながら勉強していたため、忙しい日も多くありましたが、東南アジアの視点から国際関係を学ぶ機会を得ることができ、今までは考えたことのなかった、外側から日本を知るという経験ができました。特に、授業は英語で行われていたものの専門用語が使われるとついていくのが非常に大変でしたが、東南アジア諸国やカンボジアと日本を比較して考える際には、留学生が私しかいないこともあり、必ずと言っていいほど私に質問されたので、同時に日本に関しても学び直している気持ちで授業には熱心に取り組みました。この留学を通して、私はアパートで一人暮らしをしていたので、気軽に話をできる友人ができるか不安でしたが、この交換留学の期間にたくさんのクラスメイトと仲良くなることができ、交換留学が終了し、実践活動がメインになってからも交流を続ける仲間ができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

45,000 円

生活費:月額

60,000 円

留学先でできた友達と日本から遊びに来てくれた友達と放課後
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

45,000 円

生活費:月額

60,000 円

2024年
6月~
2024年
9月

カンボジア(プノンペン)

プノンペンにあるカンボジア日本人材開発センター(CJCC)で実践活動を行いました。実践活動期間中に最も大変で、やりがいを感じたのは7月に開催された七夕フェスティバルでした。私は、書道のワークショップと浴衣の着付けのリーダーを兼任しました。準備段階では、公用語は英語であったものの、クメール語話者が大半であったため、私は他の人を追って何かをすることしか出来ず、もどかしさを感じたこともありました。しかし、このフェスティバルを共に作り上げたチームのメンバーや、ボランティアのみんなのおかげで、主に二日間で約1万人が来場する大きなイベントの運営に携わることができました。困難なことがあっても、そこで止めるのではなく、笑顔とコミュニケーションを大切にして活動することの重要さをここで学びました。交換留学をしていた期間と同じく、住居は一人暮らしでしたが、この実践活動先では、familyという意識を強く持つことができ、カンボジア・プノンペンがとても思い入れの深い場所になるきっかけとなりました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

活動期間中にケーキで誕生日をお祝いしてもらいました
七夕フェスティバル終了時、最もやりがいを感じた風景
私が活動していたCJCC
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

カンボジアには、内戦で多くの方が亡くなった悲しい歴史があります。それを、留学当初は日常の中で感じることはあまりありませんでした。しかし、交換留学で国際関係学を学修し、カンボジアに1年弱住むならば、必ず足を運ぶべきだと思い、トゥールスレン虐殺博物館に行きました。数々の悲しい歴史が写真と共に紹介され、その現実を学んだ後にカンボジアの社会を見つめると、その爪痕がまだ残っているとも感じられます。
この国に留学したからには、この社会で生きていくためには、歴史を学ぶことが大切だと思います。この国に来て出会った何人が、この悲しい時代の思いを胸に生きているか。私の中で、日本の平和を考える8月に、カンボジアにいて、そのような思いがずっと胸の中にあります。
更なる発展が望まれるこの国の経済。
日々模索されているであろう教育のあり方。
カンボジアという国に、私は日本人として何ができるだろうと、日々考えた留学でした。
「自分にできることはこれだ!」と、すぐには見つからなくても、この国で学んだこと、日本で学んだこと、いろんな国で感じたことを糧に成長して、カンボジアと日本の架け橋になりたいと思う、留学生活でした。
正直、暗い気持ちにもなる悲しい歴史でも、面と向かって学ぶ姿勢でいることが、私は大切だと思っています。その時代を想像することは、これからの時代を描くことにつながると思っています。

博物館からの景色。良い天気がより私を悲しくしました。

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

私の実践活動先の、大切な大好きな上司のナディさんです。
偶然、近くに住んでいることがわかり、仕事に行く時と帰る時に車で一緒に連れて行ってくれました。毎日のその時間が好きで、仕事のことや将来のこと、日々のどうでもいいこともたくさん話しました。トゥクトゥクで行くなら、短くあってほしい通勤時間が、長くあってほしいと思いました。初めてカンボジアに来た時には、友人も頼れる人もあまりいませんでしたが、今ではたくさんの優しい方に囲まれています。
ナディさんは、優しくしてくれるだけでなく、主に言語面で私のモチベーションを高めてくれる人でもあります。ナディさんの日本語はとても上手で、素敵な言葉を使います。私は、クメール語をカンボジアに来てから学び始めましたが、まだまだ上達はしていません。
イベント準備中、周りはみんなクメール語を使うので、私は自分から動くことができず、孤独感や無力感を感じていました。私はその場にいたナディさんに「I feel I am like a stupid person」と伝えました。その時に、ナディさんも言語で感じた大変な部分を共有してくれ、それを乗り越えてこそ、素敵な言葉を話せるのだと思いました。それをきっかけに、私は日本に帰国してもクメール語の勉強を努力して続けるつもりです。
たくさんの優しさと、頑張る動機を与えてくれたナディさんには本当に感謝しています。

一緒にリバーサイドに行った時に、写真を撮るナディさん

共通言語が存在する奇跡と、他言語を学習する大切さ

  • 語学力 : その他の言語

私が留学したカンボジアの公用語は、クメール語です。日本にいた時は、周りにクメール語を話す人がおらず、学習するのは大変困難で「もう、クメール語は無理」と思い込んでいました。そのモチベーションのまま留学をすると、英語やその他の自分のできる言語に頼ります。そして、自分の知っている言語が通じない場所ではかなりストレスが生まれてしまいます。
留学期間中に、周りにクメール語がネイティブレベルの人しかいないことが、時に苦しいこともありました。交換留学の授業中には、英語で授業が行われますが、より詳細なことはクメール語のほうが理解が深まりやすい人が多いため、クメール語が頻繁に使われることもありました。インターンシップの期間中も、英語で指示が出されず、自分だけ輪に入れていないと感じる瞬間も多くありました。「英語で説明してくれたら、こんな孤独感を抱かずに済むのに」「英語だったらもっと私は仕事ができるのに」とばかり考えていました。
しかし、私がほとんどの生活を自分が話せる言語でできるのは、英語で話す私に合わせてくれる人がいるから、私がわかる言語をコミュニケーションの相手も学んでくれているからだと気づきました。同時に、相手の言語を学び、話そうと努力することが、相手の国や文化、そして相手そのものをリスペクトする方法だと気づきました。
確かに学習中は、自分だけがついていけない、孤独感を抱くこともあると思いますが、それを乗り越えるからこそ、モチベーションが生まれるのだと思います。私にとって、クメール語はそのような意味でとても大切な言語になりました。
留学終了後、またカンボジアに来ることを計画しています。その際は、私がカンボジアで出会った大切な人たちに、今よりもクメール語で話しかけられるようになっていたいです。この留学は、たくさん苦労しましたが、その分モチベーションに繋がる期間でした。

今まで気づかなかった興味・好奇心に気づく

  • 帰国後の進路 : 進学

私は留学を開始するまでは、大学卒業後は修士課程に進まず、就職のみを視野に入れていました。正直、何をやりたいのかがぼんやりとしていて、修士課程に進む意味を見出せていませんでしたし、逆に就職したとしても、どんなことをしたいのかは全然わかりませんでした。
しかし、この留学期間中に「学ぶこと」「働くこと」について、より深く考える時間が多くありました。カンボジアで働く日本人の方々や、日本とのつながりを持ちつつ仕事をしているカンボジア人の方々、留学経験のある方々に、主に実践活動を通して出会いました。また、周りに、たくさんの努力している人を見つけ、私も努力を心がけるようになり、自分は何をしたいのかを考えました。
その時に、私は日本とカンボジアやASEAN諸国を繋ぐ人材に成長したいと強く思うようになりました。そのために、帰国後も学問に打ち込むのと同時に、進学してさらに知識を深めるのと同時に、たくさんの人と交流し続けたいと思いました。
この留学準備から留学を経験せずに、日本でずっと大学生活を送っていたら、このように思うことはなかったと思います。自分の将来や、やりたいことを模索する日々を、留学準備から留学終了までの期間で送りました。
自分の行動次第で、人生に大きな意味をもたらす留学だからこそ、留学先の国選び、大学選び、実践活動先選びはとても大切だと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は自分の動き方次第で、人生に大きな影響を与えるものです。ぜひ、貴重な経験をして、たくさん大切な人を見つけて、自分を成長させる留学にしてください。留学中は、思いがけないことも、起きると思います。自分で解決しようとすることと、人に頼ることは同じくらい大切だと思います。人に頼り頼られ、たくさん思い出を作ってください!留学に踏み出すみなさんを応援しています!