留学大図鑑 留学大図鑑

岡野蒼

出身・在学高校:
埼玉県立所沢北高等学校
出身・在学校:
東京学芸大学
出身・在学学部学科:
教育学部初等教育教員養成課程国際教育選修
在籍企業・組織:

デンマークや教育に関する留学に興味のある方はもちろん、その他のかたも気軽に連絡してください!

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最終更新日:2024年12月12日 初回執筆日:2024年12月12日

好き・やりたいを追究できる教育を考える!

留学テーマ・分野:
フォルケホイスコーレ留学、ボランティア
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • International People's College, Horne Efterskole
  • デンマーク
  • ヘルシンガー、ヒルツハルス
留学期間:
8カ月
総費用:
1,300,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,530,000円
  • 埼玉発世界行き奨学金 500,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

子どもたちが周りの目に捉われるのではなく、自分の好き・やりたいという気持ちを追究し、将来を考えられるような教育の実現を目指し、デンマークに留学をした。
23年8月~12月はInternational People’s College(IPC)というフォルケホイスコーレに在籍、24年1月~3月は、Horne Efterskoleという14-17歳の高校入学前の生徒が通う全寮制の学校でボランティアを実施した。IPCでは、世界30か国以上から集まった学生と共に朝から晩まで共同生活を行い、自分が興味のある授業を選択し、対話を通しての学びを生徒として経験した。Horne Efteskoleでは、スタッフとして生徒のサポートをし、進路を考えていく生徒の活動や教師の関わりについて学んだ。他にも、幼稚園から高等教育機関、また、ノンフォーマルな学校外の教育施設など、デンマークにある多数の学校、教育施設を見学した。

留学の動機

大学受験の失敗と大学での学びが留学を決意したきっかけだ。周りの目や評価を気にして必死に勉強に励んでいたが、大学受験の失敗を機に、自分のやりたいことが軸になかったことに疑問を抱くようになった。ギャップイヤーを取り自分が納得してから将来を選んでいる、また、日本でもいわれている対話的、探究型の学びを実施しているデンマークに留学し、子ども達が自分軸を大切に学びに取り組むことを考えたいと思い留学を決意した。

成果

留学を通し、生徒が自分軸を大切に感じられる瞬間、対話を引き出す環境や教師の在り方について、授業や日常生活での生徒同士、生徒と教師の関わりから考察した。また、世界30か国以上の友人と出会い、これまで知っているだけだった社会の問題や国際情勢が、当事者である友人との関わりから自分事化される経験をすることが出来た。

ついた力

行動力、想いを伝える力、何でもやってみる力

留学中は、自ら動かなければ何も成し遂げられない状況ばかりだった。アジア人1人のマイノリティであっても、周りに教育に興味がある人が少ない環境であっても、自らやりたいことを人に伝え続けることで様々な人との繋がりができ、人に伝えてみる、何でもやってみるという精神力を身に付けることが出来た。

今後の展望

世界の子ども達が自分らしさを表現できるような学びを実現する教育者になりたい。
現在は子ども達が周りの目以外にも自分軸を大切に考えられるようにすることを目的にしたプログラムについて考えている。日本、世界関わらず、子ども達が自分らしさを追究できる・社会参画に興味を持てる教育の実現を研究していく予定だ。

留学スケジュール

2023年
8月~
2023年
12月

デンマーク(ヘルシンガー)

子どもたちが周りの目に捉われるのではなく、自分の好き・やりたいという気持ちを追究し、将来を考えられるような教育の実現を目指し、デンマークに留学をした。対話を引き出す授業のあり方、教師の関わり方を生徒の目線から考えるために、International People’s College(IPC)というフォルケホイスコーレに在籍した。IPCでは、世界30か国以上から集まった学生と共に朝から晩まで共同生活を行い、自分が興味のある人権・環境・ジェンダー・スポーツ・教育など幅広い分野の授業を選択し、対話を通しての学びを生徒として経験した。また、幼稚園から高等教育機関、ノンフォーマルな学校外の教育施設など、デンマークにある多数の学校、教育施設を見学した。これらの見学や、IPCでの授業の在り方から、対話を生み出すための環境設定としてリラックスできる雰囲気づくりや、制約のある自由により子ども達の発想力が広がること、興味分野で集まる時間を確保することで、お互いに深め合う時間を作れることなどを理解した。また、IPCで戦争が起きている国出身の生徒や貧困、差別などで苦しんでいた生徒に出会い、世界情勢が自分事化されたり、環境やジェンダーの問題に対して声を挙げ行動を起こしている人にであったことで、首都で行われるストライキに参加するなど自分にできることに積極的に取り組むようになった。

費用詳細

学費:納入総額

700,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

20,000 円

それぞれが好きなことに夢中になる日常
私を変えてくれた大好きな友人と
尊敬している先生
費用詳細

学費:納入総額

700,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

20,000 円

2024年
1月~
2024年
3月

デンマーク(ヒルツハルス)

24年1月~3月は、Horne Efterskoleという14-17歳の高校入学前の生徒が通う全寮制の学校でボランティアを実施した。Horne Efteskoleでは、スタッフとして生徒のサポートをし、進路を考えていく生徒の活動や教師の関わりについて学んだ。自分がワークショップを通して、1か所目で得た学びを実践する事が目的であった。生徒の空き時間に、Japanese Workshopを企画し、日本をあまり知らない生徒たちが、対話やアクティビティを通して自分が知らない地域のことを考えてもらった。生徒の目線に立つこと、教える、ではなく生徒が知りたいと思うときに意見を伝えるアドバイザー的役割になることで、ただ私が教えるよりも、生徒にとって必要な情報、自分で得た情報として記憶にも残りやすいのではないかと考察した。この学校に在籍していた生徒に、家庭に問題を抱えている生徒が多く、どんなに素晴らしい学校制度があっても、幼少期に受けられなかった愛を中高生の世代にして回収しようともがいていたことに問題を感じ、目の前の子ども達に向き合う時間を大切にすることにしていた。このことで生徒と信頼関係を築けていたことが、生徒の成長につながる、ワークショップ内での学びにつながっていた、と学校の先生たちからフィードバックを得ることができた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

10,000 円

項目:趣味・娯楽

10,000 円

キッチンのお手伝いもしました!
生徒と一緒にウィンターアクティビティ
デンマークの冬!
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

10,000 円

項目:趣味・娯楽

10,000 円

スペシャルエピソード

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

今を大事にする考え方、自分軸をもつことは留学中に大切にしていた考え方で、帰国した今も意識している。フォルケホイスコーレでは、誰かと想いを語りあったり、自分が好きなことを同じ好きをもつ人と一緒にやってみたり 自分の心に耳を傾けて、やりたいことがあればやってみたり。そんな一見誰にでもできそうな、”なんでもない瞬間”がつまった日常を過ごしていた。しかし、ここで当たり前だった日常は、日本の自分にはなく、常に何かに追われ、プレッシャーのなかで周りの評価を気にしていたことに気が付いた。ちょっとしたことで文句を言ってしまったり、不満を抱いたりする考え方から1歩離れてみたら、不満や人がどう思うかなどはどうでも良いんだということに気が付き、今の生活、今あるものを大切に、ありがたみに感謝しながら最大限に楽しむことこそが大事で、それが幸せなんじゃないかと考えられるようになった。今・自分軸を大事に生きること、これは今でも大切にしたいと思う考え方となった。

太陽があがることにすら感動できたハイキングトリップ
当たり前が終わる、別れの時
原っぱに座って語り合う大好きな瞬間

ココでしか得られなかった、貴重な学び

International People's Collgeで、世界34か国から集まった学生・スタッフと共に暮らし学んだ経験、Horne Efterskoleでアジア人1人のマイノリティを経験したことは、留学先でしか得ることが出来なかった学びだった。IPCでは文化の違いからの対立も経験したが、世界各国から集まった人たちが共同生活をしている光景から、世界の人々が分かり合い協働することは夢ではないと思えるようになった。多様性あふれる環境で、戦争・紛争が起きている国出身の友人、自由に進路を選べない経験をしてきた友人に出会えたこと、身をもってマイノリティとしての立場の弱さを経験したこと、これらにしんどさを感じることもあったが、世界情勢を自分事化させてくれ、自分にできる行動をしていこうと思えた出来事で貴重な学びだった。帰国前、各国の友人に会いにいき世界は狭いと思えるようになったことも留学にいったからこそ得られたものだと思う。

世界の視点から日本の良さ・課題を考える
ボランティア先の同期と生徒たち
African Danceの授業の発表会

奨学金の受給と現地での節約

  • 生活 : お金

私はトビタテ!留学JAPANのほかに、埼玉発世界行き奨学金、キーエンス奨学金(留学用ではないもの)を受給していた。デンマークという物価が高い国に留学をするうえで、お金の問題を考えることは必須だった。私が在籍していたフォルケホイスコーレという学校は、学費・滞在費・食費を含め1ターム70万円ほどで滞在中に生活費がほとんどかからなかったため、出費を抑えることが出来ていた。また、ボランティア先はworkawayという、働くかわりに住居と食事を提供してもらえるサービスを使用していたことで、お金をかけずにボランティアをすることが出来た。また、現地の生活では、セカンドハンドショップを利用したり、みんなと一緒に手芸をして帽子などを編んでみたり、電車を利用する際は事前に予約して割引を使っていたりすることで、予想していたよりも出費を抑えられた。

自分で編んだ帽子でハイキングへ!

留学を勧める・勧めない理由

留学中、たくさんの人と出会い、世界・日本の課題や良さに向き合ってきました。自分だけ行動しても意味ないと思っていた自分が、日本にいてもできることは山ほどある、と帰国した今もこれからを考えるとわくわくします。また、日本をもっと知りたい、専門外のことも学びたい、と新しい分野に飛び込む垣根が低くなりました。たくさんの人に留学に行って、いろんな景色を見て現地でしか感じられないことを味わってきてほしいです。

これから留学へ行く人へのメッセージ

外の世界に飛び込むこと、自分で決めた道を歩むことは、うまくいかないこと、無力に打ちひしがれる経験もすることになるとは思いますが、皆さんの想いを強くしてくれる経験になると思います。どんな状況も、無事に帰ってきたら笑い話や自分のこれからの原動力になるはずです。どうにかなることも多いので、周りの人を頼って、目の前の瞬間をたくさん楽しんで、成長できる機会にしてほしいなと思います。