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ブラウン蕗七

出身・在学高校:
京都府立洛北高等学校
出身・在学校:
京都大学
出身・在学学部学科:
教育学部
在籍企業・組織:

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最終更新日:2024年12月05日 初回執筆日:2024年12月05日

子どもの幸せと自分の「楽しい」の追究

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • コペンハーゲンビジネススクール, Solutions For Life Initiatives Ghana, Uganda Empowers
  • ウガンダ・ガーナ・デンマーク
  • コペンハーゲン・カソア・チャワゴニア
留学期間:
13ヶ月
総費用:
3,663,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,850,000円
  • 阪和育英会海外留学奨学金 920,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<IELTS 8.0, 英検1級> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

「子どもの幸せから目指す世界平和」をテーマに、子どもの幸福度ランキング上位国であるデンマークに10ヶ月とガーナの難民キャンプに2ヶ月、そしてウガンダの村に1ヶ月滞在しました。デンマークではコペンハーゲンビジネススクールに交換留学をして、普段私が学んでいる教育学とは異なる分野から人間や心・幸せについて多面的に考える機会を得つつ、現地の学校や幼稚園の訪問・見学を通してデンマークで子どもが幸せだと言われる理由を考えました。ガーナとウガンダではそれぞれ難民キャンプと村の学校で授業アシスタントとしてボランティアを行い、デンマークや日本とは全く違う教育現場を体感しつつ子どもたちとの生活を楽しみました。デンマークで子どもの幸せについてヒントを得てそれをガーナやウガンダの学校での実践で生かし、学校教育を通して難民キャンプや貧困家庭の子どもが自立して生きられるようになるプロセスに関わることで、彼らが当事者として自分たちを取り巻く問題解決に挑むきっかけを作りたいという計画で留学しました。留学を終えて、今はアフリカでの大人と子どもの関係性に関わる研究に興味を持つとともに、デンマークでの経験やガーナで会った孤児院の“マミー”からの言葉を受けて、自分の身の回りの人がほっとできるような場を作りたいなと考えています。

留学の動機

高校生くらいのときからヨーロッパ旅行をしたいという憧れがあり、そのための具体的な方法として長期間の交換留学に興味を持っていて、大学で教育学部に入ったので充実した教育が有名な北欧のデンマークへの留学を決めました。また高校で参加したワークショップでの経験から難民の教育にも興味を持っており、せっかくトビタテで留学できるなら学校関連のボランティアにも参加してみよう思ってガーナ・ウガンダに行きました。

成果

デンマークでは学校見学を通して子どもの自主性を大事にする教育や大人が子どもを尊重する関係性を見ることができ、たくさん刺激を受けました。ガーナとウガンダでは学校やホームステイ先で子どもたちとひたすら遊んでその明るさと底なしの元気さにエネルギーをもらい毎日を楽しみながらも、同時にデンマークや日本との環境・物的資源の差に衝撃を受けて教育現場に限らない課題の多さを感じました。

ついた力

主張する力

私は昔からシャイな性格で、自分の意見を言うことも主張を持つこともあまりありませんでした。しかしデンマークで初めて1人暮らしをしてビザ・銀行などの手続きを自分でしたり、ガーナ・ウガンダでの生活で周りの人の自己主張が強く自分も言いたいことを言わなければ何も始まらない環境の中でもまれたりする経験を通して、自分がやりたいことは何かを意識して相手に伝えることの緊張がかなり薄くなりました。

今後の展望

留学前は国際機関の教育関連分野で働きたいと考えていたのですが、留学から帰ってきた今はもっと現場に近いところで子どもたちと関わりたいという思いが強いです。大学では発達科学を専攻しているので、大学卒業後は大学院に進学して教育学の知見を生かしつつアフリカでのフィールドワークを伴う研究に携わり、子どもたちにまた会いに行きたいなと考えています。

留学スケジュール

2023年
9月~
2024年
6月

デンマーク(コペンハーゲン)

コペンハーゲンビジネススクールで交換留学をして、経済学・社会学・心理学・デンマーク語など、自分の専門ではない多方面の授業を受けて視野を広げることを目指しました。またデンマーク滞在中に公立小中学校・幼稚園・放課後の学童のような施設など8施設に訪問して見学や先生とのお話をしたことが、デンマークでの子ども観・なぜ子どもが幸せと言われているのかを考える手がかりになりました。また交換留学の期間の後半は、コペンハーゲンで日本人の友人とともに日本食の料理ワークショップを開催したり日本大使館が主催するイベントに出店して団子を売ったりして、海外で何かを企画して実行するという貴重な経験を得られました。交換留学の前半は留学生寮に住み、留学生同士の関わりが沢山できて楽しかったのですが、学校から遠かったのと家賃が高かったため後半は街中のシェアハウスに引っ越しました。留学開始直後はさみしさを感じ心細くなることが何度もありましたが、時間が経つにつれて生活に慣れて楽しく暮らせるようになったと感じています。

費用詳細

学費:納入総額

535,800 円

住居費:月額

1,430,000 円

生活費:月額

820,000 円

項目:ビザ、保険、航空券

518,000 円

寮から自転車40分の通学途中にある池が綺麗で大好きな景色
がっかり観光地代表の人魚像像
団子屋さんを出店したサクラフェスティバルでの写真
費用詳細

学費:納入総額

535,800 円

住居費:月額

1,430,000 円

生活費:月額

820,000 円

項目:ビザ、保険、航空券

518,000 円

2024年
7月~
2024年
8月

ガーナ(カソア)

ガーナにあるリベリア難民キャンプでボランティアをしました。前半は3~15歳の子どもが通う学校でボランティアをして先生のアシスタントとして授業を行うと同時に、子どもたちの遊び相手としてガーナのゲームを教わって一緒にやったり日本の遊びを教えたりしていました。学校に電気がなかったりノートや鉛筆が買えない子どもがいたり、働かないといけないために週2回しか来ない子どもがいたりとお金がないことから発生する問題がたくさんありましたが、その中でもいつも明るくやんちゃな子どもたちに元気をもらい通しでした。後半は学校が夏休みに入ったため孤児院でのボランティアに切り替えて、毎日子どもたちと遊び、学校ごっこをして勉強を見て過ごしていました。孤児院のオーナーである”マミー”とは、自分もお金がない中で親のいない子どもを引き取って育てる思いやリベリア難民の苦境についてたくさん話を聞かせてもらい、「解決するべき問題は世界中にいくらでもあり全部なんとかすることはできない、まずは身近なところから始めなさい」と言われたことが心に残っています。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:ボランティア団体に一括で住居費・生活費を支払い

200,000 円

学校の子どもたちと
ブレイズのヘアスタイルにしてもらったり
孤児院のマミーと
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:ボランティア団体に一括で住居費・生活費を支払い

200,000 円

2024年
9月~
2024年
9月

ウガンダ(チャワゴニア)

トビタテの期間が終了した後でしたが、知り合いがボランティアしていた団体がウガンダにあり、せっかくアフリカにいるのでもう1カ国いきたいと思ってウガンダに行くことにしました。NGOの代表の家にホームステイをし、団体が運営している村の学校で先生としてボランティアをしました。電気・ガス・水道がない村で家畜を育てたり畑で耕作したりして生活している環境を、短期間でしたが体験できて楽しかったです。ガーナでもそうでしたが子どもたちが本当にフレンドリーでかわいくて、いつも笑顔にさせてくれました。自給自足で貨幣経済に関わらない生活を続けている側面と、人口が増え村にも都市開発が迫ってきて、お金が必要な社会に組み込まれていく中でお金がない「貧困」という境遇に当てはめられていくという両側面がある状況を見て考えさせられました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:ボランティア団体に一括で住居費・生活費を支払い

80,000 円

ホームステイ先の子どもたち
家畜の牛が100匹くらいいます
学校の子どもたち
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:ボランティア団体に一括で住居費・生活費を支払い

80,000 円

スペシャルエピソード

笑いあり、涙あり!留学中にあった、すごいエピソード

デンマークではたくさんの人が自転車移動をします。私も自転車に乗るのが好きなのですがレンタル自転車も新品の自転車も高かったので、フェイスブックのマーケットプレイスで中古の自転車を購入しました。私の身長には少しサドルが高かったのですが、気に入ってどこに行くにも乗っていき、暇な休日に1人で長距離サイクリングもしていました。ただ、できるだけ安いものを探して急いで買ったためかなり古いものだったらしく、7ヶ月の間にタイヤが3度もパンクして修理に意外とお金がかかって大変だったことに加え、留学終了まであと2ヶ月のところでチェーンが壊れて動かなくなり乗れなくなってしまいました。修理代が7万円ほどするとのことだったので諦めてそれ以降はどこに行くにも歩き、脚力が鍛えられました。壊れてから家の駐輪場に放置していた自転車は、ある日気づいたらなくなっていて撤去されたのか盗まれたのか、、気に入っていたので残念ではありましたが処分の手間が省けて良かったです。

私の自転車

留学中に、自分を勇気づけてくれたモノ・コト

ガーナ滞在中に私の誕生日がありましたが、特に何もせず学校に行って普段通り過ごすつもりでした。しかし学校に着くともう授業が始まっていたのに大きい教室に全生徒が集められ私も連れて行かれ、何か緊急事態かと思ったら私の誕生日をお祝いをしてくれました。誰かともうすぐ誕生日だという話をしたのも忘れていて予期していなかったのでびっくりしましたが、本当に嬉しくて先生・生徒みんなの気持ちが温かかったです。直前まで1週間ぐらい風邪を引いていて体力的にも精神的にも少し落ち込んでいたのですが、みんなが祝ってくれたおかげで元気になり、学校や子どもたちがより大好きになりました。

お祝いしてくれたみんなとの写真

ココでしか得られなかった、貴重な学び

ウガンダでホームステイしていた村では水道がなかったので、飲み水や生活用水は家から徒歩10分ほどのところにある池から汲んで来ていました。飲むためには池の水を煮沸させるのですが、加熱しても濁ってはいるので最初は飲むたびにお腹を壊さないかびくびくしていましたが、ステイ先のお父さんに「自分なら煮沸させないまま飲んでも問題ない」と自慢され(?)体の強さが違うんだなと実感しました。幸い、私も大きく体調を崩すことはなかったです。池まで水を取りに行くとき、空っぽの缶を持って坂を下っていく行きは気楽なのですが、水を満杯に入れて10kgほどになった缶を持って坂を登る帰りは道のりが倍以上に長く感じられます。私は1つの缶を持つだけで息が上がって5回ほど休憩しながらでないと家にたどり着けないのですが、10歳くらいの子どもたちが両手と頭の上に合計3缶同時に運んでいるのをみて衝撃的でした。免疫も体力も彼らにはかなわず、本当に尊敬します。

水を汲む池
水を運んでいると牛の一行に出会いました
運んできた水で洗濯していたら手伝いに来てくれた子どもたち

ビザについて

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

デンマークのビザ取得は最長2ヶ月かかるということだったので出発の3ヶ月前に申請して、余裕で間に合うと思っていたのですが出発2週間前になっても何も連絡がありませんでした。最悪間に合わなかったらデンマークに着いてから申請してもいいものの手続きがややこしくなるのでできれば出発前に欲しくて、しかし申請ページに「ビザ発給の催促には応じない」と書かれていたのでどうしたらいいものか悩んでいました。トビタテ生で同時期にデンマークに行く人がいたので連絡を取ってみたところ同じ問題で悩んでいるとのことだったのですが、数日後にビザセンターに電話したらすぐに発給されたと教えてくれました。そこで私も電話してみると「発給時期は変えられないのでどうにもできない」と言われてしまい、でも友人はできたのだからできるはずだと思い「大学に提出しないと出発できないんです」と切羽詰まった感じで伝えると(実際は提出の必要はなかったのですが)、「じゃあどうなるかわからないけどとりあえず聞いてみます」と渋々答えてくれました。翌日家にビザが届き、全然どうにもできないことないやんと拍子抜けしながら何でも言ってみるものだなと思いました。

住宅詐欺

  • 住まい探し : シェアハウス

寮から街中の賃貸に引っ越すことを決めたとき、Facebookで家探しを始めました。デンマークでは賃貸物件を借りるとき、不動産屋を通さずにFacebookで家を貸したい人と借りたい人が直接やりとりをして契約を結ぶのが一般的ですが、外国人学生を狙った詐欺も多く起こっています。詐欺について話には聞いていたので警戒しなければと思いながら物件情報を見ていたのですが、結局2件の詐欺に引っかかりかけました。1件目は内見をさせて欲しいと伝えると突然相手が怒り始めたので怪しく思ってやめたのですが、2件目も内見はできないといわれてデンマークではそういうものなのかと考えてしまい、早く家を見つけて心配事をなくしたかったのもあって契約寸前まで進んでいました。たまたま以前からデンマークにいるベトナム人の友人に火災保険について聞こうと思い相談したときにどんな家なのかという話をして、立地が良い割に家賃が格安なこと・内見をさせてくれないことからそれは絶対に詐欺だと言われました。そう言われると今までのやりとりの中であれも怪しかった、これも不審だったということがどんどん出てきて、結局自分は警戒しているつもりで全然警戒できておらず相場を知らない外国人学生狙いの詐欺にまんまと引っかかりかけたのだと気づかされました。しばらくはそれがショックで家探しを再開できなかったのですが、その後最大限の警戒心を持ってまた物件を探し始め、いい大家さんに会うことができて友人にも内見に着いてきてもらった上で無事契約することができました。それでも入居日までは本当に詐欺ではないのかと心配を拭えなかったのですが、大家さんが私のInstagramを見つけてフォローしてきてくれて、さすがに詐欺師が相手のインスタをフォローしないだろうと、大丈夫だと確信を持てました。今でも大家さんとは仲が良く時々メッセージでやりとりをしています。

住んでいた家の玄関

フライトキャンセル

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

デンマークからガーナへは、コペンハーゲン→パリ→ガーナと移動する予定だったのですが、コペンハーゲン出発直前にパリ→ガーナの便がキャンセルになったと連絡が来ました。しかし家の契約期限がその日で次の日には新しい入居者が来る予定だったのでコペンハーゲンにとどまることもできず、どうなるか分からないままとりあえずパリに着きました。コペンハーゲンの航空会社カウンターでリブッキングについて聞いたときには「分からない、パリで聞いて」と取り合ってもらえずパリの到着ロビー周辺にはカウンターがそもそも見当たらなかったので、問い合わせセンターとチャットで会話をできるシステムを使ってみました。その方がとても親切でガーナへのフライトを手配してくれたあと、パリで1泊するホテル代も後で補償を申請できると教えてくれました。到着は1日遅れましたが最終的にはガーナに到着することができ、後日クレームセンターに申請したところ、ホテル代に加えて飛行機代が実質無料になるほどの謝罪金も送ってもらえました。フライトがなくなるという初めての経験でしたが意外となんとかなるものだと感じました。

パリでの予期しないホテルステイはめっちゃ快適でした

留学を勧める・勧めない理由

留学をすることで日本の中からは見えなかったことが見えて、日本の良いところも悪いところも客観的に捉えられるようになりました。特に自分が無意識のうちに持っていた前提や常識に気づかされたときは目から鱗とはこういう状況かと感じ、そういう場面が何度もあって小さい発見が毎回楽しかったです。留学していなかったらいつも通りの学生生活に飽きてだれていた気がするし、帰ってきて日本での生活がより好きになりました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

私は大学生になってから、自分が「楽しい」と思うことしかやらないという軸を大切にしていて、全く新しい環境に飛び込む留学もとにかく楽しもうと思って行きました。もちろんハプニングは多々起こるし、さみしいと感じることも何度もあって常に「楽しい」だけで生きていけるわけではないですが、だいたいのことは意外となんとかなるので深く考えすぎず、トラブルも全部含めて楽しめたらいい留学生活になると思います。