留学大図鑑 留学大図鑑

藤本奈緒

出身・在学高校:
明石工業高等専門学校
出身・在学校:
明石工業高等専門学校
出身・在学学部学科:
建築・都市システム工学専攻
在籍企業・組織:

フィンランド留学、Woodprogramに興味のある方は気軽にメッセージをください!
なるべくメッセージは確認していますが、反応が遅れる場合がありますのでご了承ください。


最終更新日:2025年01月15日 初回執筆日:2025年01月15日

フィンランドで学ぶ!最先端の木造建築

留学テーマ・分野:
専門留学(スポーツ、芸術、調理、技術等)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • アアルト大学ウッドプログラム,CASAGRANDE LABORATORY
  • フィンランド
  • ヘルシンキ
留学期間:
12か月
総費用:
4,000,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,440,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル<545点> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC635点>

留学内容

私の留学全体のテーマは、「木の可能性を探る」ことでした。このテーマを実現するために、まずフィンランドのアアルト大学で提供されているウッドプログラムに9か月間参加しました。このプログラムでは、木材に関する様々な講義を学んだ後グループでの設計を行い、実際に建築物を自分たちの手で完成させるという貴重な体験を得ることができました。
その後、3か月間、現地の建築設計事務所でインターンシップを行い、学んだ知識やスキルが実務にどの程度通用するのかを確かめるとともに、業務を通じて実践的なスキルをさらに磨きました。実際のプロジェクトに携わる中で、国際的な職場環境でのコミュニケーション力の重要性を実感すると同時に、自身の考えが通用するところ、まだまだ自身に足りないスキルなどを知ることができました。

留学の動機

高専2年次にフィリピンへの交換留学を経験し、ネットでは得られない実体験の重要性に気付き、留学への関心が高まりました。コロナ禍で行動が制限される中、国内で北欧デザインを学ぶ機会があり、本場で学びたいという思いが強まりました。その中で教授からウッドプログラムの存在を教えていただいたことが、フィンランド留学を決意する大きなきっかけとなりました。

成果

日本では体験することのできない、実際に自らの手で施工をするという経験の中で、組み上げ方や輸送、予算削減方法など、設計課題だけでは意識しなかった視点を得ることができました。最初は実現が困難に思えましたが、仲間と試行錯誤を重ねて完成させ、木の可能性を深く実感しました。インターン先では自由に遊びながらアイデアを出すように言われ、自分の意見が肯定される経験を通じて自信を得ることができました。

ついた力

ポジティブ思考力

留学中、施工直前まで設計が固まらない、資材が届かない、留学資金不足、インターン先探しなど、多くの困難に直面しました。それでも行動し続けることで状況は好転し、全て何とかなってきました。もともと心配性で悲観的な性格でしたが、この経験を通じて、「あきらめなければ何とかなる」という思考が身につき、楽観的に物事を捉えられるようになりました。

今後の展望

留学中何度も今の実力で留学に来てしまったことを後悔する場面に直面しましたが、どれだけ心が折れそうになっても建築という分野を嫌いになりきれない自分に気付き、自身の建築への思いの強さを再認識することができたと感じています。現在は日本の抱える様々な課題を木造建築で解決できる建築家になりたいと研究を進めています。

留学スケジュール

2023年
9月~
2024年
8月

フィンランド(ヘルシンキ)

前半9か月間アアルト大学ウッドプログラムに参加し、木材に関する幅広い知識を学ぶと同時にグループ17名で設計を行い、実際に施工を自分たちの手で行いました。プロジェクトではクフモという都市に常設される屋外ステージの設計に携わることができました。プロジェクトを進める中で予算や構造上の問題に何度もぶつかり、そのたびに自身の知識とスキルの無さを痛感しましたが、それでもくじけることなく、わからないことはわかるまで調べ、自分にできることを全力で取り組みました。後半3か月はヘルシンキ市内にあるCASAGRANDE LABORATORYという建築設計事務所で無給のインターンを行いました。事務所ではフィンランド国内ではなく、ウクライナの難民キャンプに設置する小学校建設のプロジェクトに携わらせていただき、フィンランドの木造の技術が国際的に役立つということを学ぶことができました。留学期間中は、正規留学生ではないため学生寮に入ることができず、アアルト大学に通う様々な国籍の3名とシェアハウスをして暮らしていました。授業は週2~3日、数コマしかありませんでしたが、毎週出る課題のためにほぼ毎日朝から晩まで学校で作業をする生活をしていました。

費用詳細

学費:納入総額

1,300,000 円

住居費:月額

89,600 円

生活費:月額

70,000 円

ステージとオープニングセレモニーに集まったクフモの皆さん
費用詳細

学費:納入総額

1,300,000 円

住居費:月額

89,600 円

生活費:月額

70,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

インターン先の所長であるマルコは、私にとって第二の父親のような存在です。彼はボーイスカウトのスカウトリーダーでもあり、私が日本のスカウトだと知ると、フィンランドの年に一度の大きなキャンプ大会“Kimara”への参加を本部に掛け合い、一日だけでも参加できるよう手配してくれました。本来フィンランド語が話せないと所属が難しいにも関わらず、自分の隊に迎え入れ、テントや寝袋を貸してくれたおかげで、優しいスカウトたちと忘れられない時間を過ごすことができました。
さらに別日には、バイクで郊外の森へ連れて行ってくれ、スカウトと一緒にハイキングを楽しむことができました。その夜はマルコが設計したという自邸に招待してくれ、息子さんと一緒に折り紙を楽しんだり、庭で採れたフルーツを振る舞ってくれるなど、まるで家族のように温かく接してくれました。また、建築学生として学びを深めるため、見に行くべき建築をピックアップした地図を作ってくれるなど、インターン期間中も私の考えを尊重しながら成長を支えてくれました。
マルコが教えてくれたフィンランドの文化や温かさ、そして深い優しさは、私の人生にとってかけがえのない財産です。本当に感謝してもしきれない、大好きな人です。

マルコ(写真左)と隊のリーダーと一緒にKimaraでの1枚
スカウト達と森でペーパークラフト

VISA申請の大使館訪問予約は渡航が決まったらすぐに!

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

フィンランドのVISA申請は東京でしか行えないうえに、事前に訪問日の予約が必須です。予約をする前に書類の申請をオンラインで求められ、アップロードする書類がいくつか必要なのですが、実は訪問日の予約はオンライン提出前でも電話で行えます。もちろん、訪問時に書類が揃っていないといけないので、入学証明書であったり諸々の書類が届くよりもかなり早い日付を予約するのは危険ですが、書類が一通りそろってから予約をすると1カ月先の日付しかあいておらず、さらに訪問から手元にVISAが届くまでに1か月以上かかることもあるため、渡航までにVISAが完成するかひやひやすることになります。書類が届く前、オンライン申請が書き終わる前でもいいので先に訪問日の予約を取ることを強くお勧めします!

留学を勧める・勧めない理由

自分の今進んでいる道が正しいか迷っている人ほど、私は留学に行くべきだと感じます。異なる文化や視点で学ぶことで、新たな道が見つかることや、今の道が間違っていないと再確認できるかもしれません。もし留学先で自分の進む道がやはり違うと感じたとしても、それも成長の一環です。留学を通じて自分を見つめ直し、より確信を持って次のステップを踏み出すことができると私は思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は決して特別なことではなく、留学をする中で自分にとって価値のあることを学び、そのためにどれだけ積極的になれるかが大切だと感じます。留学を発信する人たちは、表面上は輝いて見えるかもしれませんが、裏では多くの苦難を乗り越えています。自分のやりたいこと、行動したい気持ちを信じて、無理せずに前に進んでください。あきらめなければ大抵のことは乗り越えられます。がんばってください!