留学大図鑑 留学大図鑑

ちゃんあゆ

出身・在学高校:
福島工業高等専門学校
出身・在学校:
福島工業高等専門学校
出身・在学学部学科:
コミュニケーション情報学科
在籍企業・組織:

デンマークのホイスコーレに留学を考えていらっしゃる方がいれば、多少の情報はあるので相談に乗ることが可能かと思います。


最終更新日:2017年03月13日 初回執筆日:2017年03月13日

人々の対立の解消の鍵をホイスコーレで学ぶ

留学テーマ・分野:
専門留学(スポーツ、芸術、調理、技術等)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • International people's college
  • デンマーク
  • ヘルシンゲル
留学期間:
5か月
総費用:
1,350,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,300,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC 750点> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

International people's collegeは「社会問題を地球規模で考えられる人間の育成」という目標も掲げており、その目標に付随するような授業をとることができます。国連で紛争解決を担当する部署にいた先生や、フィリピンの民主化運動の先頭を走った先生等、どの先生の経歴も魅力的でした。授業形式は、そういった先生方からのレクチャーを踏まえた上で、生徒自身の経験を持ちよりディスカッションを通して互いを理解し合うといったものでした。15以上の科目をとった中で、「アジアの生活と歴史」「中東学(middle east study)」が特に印象的でした。前者では、アジアが抱える社会問題や歴史問題をアジアだけでなく、世界中から集まった学生とディスカッションも交えながら学びました。特に、日本人と韓国人がクラスの3分の1を占める中で、慰安婦問題(sexual slave)や戦争賠償問題、原爆投下について話し合いが出来たのも印象的でした。後者の中東学では、学内にクルド人のシリア難民がいたことと、両親がパレスチナ難民である学生がいたことにより、中東やイスラムへの偏見を持たずに、経済・地理・政治等様々な面から中東について学べたことが実りです。さらに、朝の集会や週末の校外学習でも、福島での学びと経験を生徒と先生計120名の前で講演したり、デンマークのホームレスを尋ね、お話を聞いたりしました。

留学の動機

私の住む福島県いわき市では「避難をしてきた人」と「元からいた住民」との間での対立や賠償金をめぐる軋轢など、分断が生じています。私はお互いの立場や背景を理解しようとすることなく、非難をしてしまう状況を変えようと、人々の共生について実践的に学ぼうと考えました。そこで、世界中から集まる人々とその文化から、生徒が共生することを学び、活動的な地球市民になることを目的とした教育機関への留学を決意しました。

成果

授業の枠組みの外で私と韓国人の友人で主催した慰安婦問題と日韓の歴史問題のを考える校内学習会では、日韓の学生15名が4時間にわたる白熱した議論を繰り広げ、友好関係を深めることができました。参加者は、日本人韓国人共に20代~50代までおり、歴史認識の相違を洗い出したうえで自分たちが今後できることを話し合いました。また、福島での経験と留学に来た理由も全生徒に講演で伝え、アドバイスも受けました。

ついた力

「違い」を終わりではなくスタートにする力

フランス人のルームメイトとは、価値観の相違や生活習慣の違いに悩みましたが、問題が生じるたびに話し合いを重ね、お互いのバックグラウンドについて理解を深める努力を行ったため、良い関係を築きました。また、第二次世界大戦の戦争認識に関する授業中、授業外のイベントを通した議論では、認識の相違があるのは必然なものとして、それをスタートに話を展開しました。

今後の展望

震災から6年目を迎える中で、人々の心の傷が見えにくく、人によっては深くなっている被災地で、私自身が彼らに耳を傾けつづけたいと思います。話を聞くことから、共生の道を探ることは始まると思います。また、震災後から今まで受けてきた支援をお返しすることによって支援からの真の意味での自立を行っていきたいと思っています。大学では平和学等を学ぶ予定です。

留学スケジュール

2016年
7月~
2016年
12月

デンマーク(ヘルシンゲル)

International people's collegeは「社会問題を地球規模で考えられる人間の育成」という目標も掲げており、その目標に付随するような授業をとることができます。国連で紛争解決を担当する部署にいた先生や、フィリピンの民主化運動の先頭を走った先生等、どの先生の経歴も魅力的でした。授業形式は、そういった先生方からのレクチャーを踏まえた上で、生徒自身の経験を持ちよりディスカッションを通して互いを理解し合うといったものでした。「アジアの生活と歴史」「中東学(middle east study)」が特に印象的でした。後者の中東学では、学内にクルド人のシリア難民がいたことと、両親がパレスチナ難民である学生がいたことにより、中東やイスラムへの偏見を持たずに、経済・地理・政治等様々な面から中東について学べました。さらに、朝の集会や週末の校外学習も充実していました。

費用詳細

学費:納入総額

550,000 円

住居費:月額

200,000 円

生活費:月額

70,000 円

項目:入学金、授業料、寮費、食事込みで5か月55万円でした

- 円

ある秋の日、美しい紅葉の下で撮った写真
韓国人と日本人で慰安婦問題と歴史問題について語る会を開催
費用詳細

学費:納入総額

550,000 円

住居費:月額

200,000 円

生活費:月額

70,000 円

項目:入学金、授業料、寮費、食事込みで5か月55万円でした

- 円

スペシャルエピソード

留学中に、自分を勇気づけてくれたモノ・コト

福島での学びと経験を生徒と先生計120名の前でお話する機会をもらいました。話と意見交換で40分というさほど長くはない時間の中で、友人らは熱心に興味深く耳を傾けてくれました。留学当初に、私が福島県から来たこと、震災後の活動などを先生にお話しした際、先生はすぐに学校にいる全員にシェアするべきだとこれを企画してくれました。しかし、どこから話をするべきなのか、何を切り取って話をするべきかに悩み、学校が終わる3週間ほど前にようやくそれが実現されました。会が終わった後に受け取った、いつまでも鳴り止まない拍手と何十人もの友人による熱いハグや応援の言葉に思わず涙が溢れました。留学前も、各地で10回以上講演をしていた私ですが、世界中から来た様々な年代の人に英語で行う経験は初めてで、緊張もしましたが、とても良い経験ができました。日本国内でも、海外でも福島県に住むものに対して偏見を持ち、差別を行うものがいるという事実は依然としてありますが、そのような人々よりも目を向けるべきあたたかい人々の存在にあらためて気づかされました。

話のあとで貰った盛大な拍手に照れている写真、、かな。

One the way of learning

  • 語学力 : 英語

今まで英語が出来ないということで悩んだこともなく、それなりに英語を話す方とも意思疎通はできる自信があったのですが、留学にいざ行ってみて、英語で授業を受けるようになると自分の言語能力の無さに愕然としました。日常生活でも、英語が流暢な同年代の学生は国籍問わずスムーズな会話を楽しんでおり、そうはできない自分にストレスを感じていました。しかし、落ち着いて考えれば、学校にいた数人のネイティブを除いて、私の前で英語をうまく話す彼らも英語が出来ずにもどかしさを感じる時間を感じてきたはずであり、その悔しさをばねに英語の学習に励んだのです。そのことを意識しながら、投げやりにならずに留学期間中はコツコツ英語の学習を続けました。自分は英語ができないのではなく、学習の一段階にあるだけであると問題をとらえ直すことが私にとってはとても助けになりました。

人の魅力は英会話のスキルでは測れない

  • 語学力 : 英語

特に、英語のレベルの違いによりネイティブや英語を流暢に話すアジア以外から来た生徒と話すことにためらいを感じていた時期がありました。ところがある日、英会話力は私よりも高くない日本人の大学生が学校にやってきて、彼はタームの初めからいた私よりも早く学校に溶け込み、多くの友人を作っていきました。彼が私と違っていたことは大きく1点。それは、彼は「自分の英語力を理由に人と関わることをためらわらなかった」こと。また、とてもポジティブで明るく、非言語の要素で周りをすぐに笑顔にさせられるという能力もありましたが。(笑)私は、そのような能力はないし、無い物ねだりでそれに嫉妬したりすることは有意義ではないので、少なくとも「英語力を理由に、大事なことから逃げないこと」を目標に毎日を過ごしました。その甲斐もあり、学校を去る時にもらった50枚の手紙には、私の性格や様子を「明るい」「笑顔」「フレンドリー」だと形容する言葉が並んでいました。もちろん、いつでもフレンドリーに楽しくいれる人間はいないと思います。私ももちろん違いますが、そうなるように心がけ、それが辛くなったら自分一人の時間をめいっぱい楽しみ気分転換をするという生活を送りました。

仮装パーティーの際に、友人と撮ったお気に入りの一枚

留学前にやっておけばよかったこと

日常のコミュニケーションとしての英語も勉強しておけば、同年代の友人たちが話す会話の理解が深まったような気がします。TOFLEのリスニングには、学生が文法を少し崩した日常会話の表現を使う部分もあります。そういった教材からアカデミック以外の英語を学んでいくことをおすすめします。意外と、英語のニュースや放送よりも日常会話やスラングの理解のほうが難しさを感じる時があります。

これから留学へ行く人へのメッセージ

あなたの常識は非常識になりうることを覚悟の上で、その瞬間を楽しみにさえして自分の好きなことを思い切りやってきてください。新しい発見と視点に戸惑うことはありますが、それを快感にするかどうかはあなた次第です。そして、人と仲良くなろうと思った時に大切なことは、言語のレベルよりも、非言語の部分でどれだけ人を惹きつけるかです。最後に、日本では出会えなかった新しい自分に出会う喜びを感じてきてください。