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鮫島 あいり

出身・在学高校:
旭進学園 宮崎第一高等学校 文理科
出身・在学校:
出身・在学学部学科:
在籍企業・組織:

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最終更新日:2025年10月10日 初回執筆日:2025年10月10日

JKが笑いヨガ×医療の原点inカンボジア

留学テーマ・分野:
カンボジアで触れる医療の原点。笑いヨガは世界を救うのか?
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • プロジェクトアブロード、クメールソビエト友好病院
  • カンボジア
  • プノンペン
留学期間:
5週間
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 450,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<英検2級、通訳ボランティアを経験、英語ディベート部> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<英検準1級に挑戦>

留学内容

カンボジアで触れる医療の原点。笑いヨガは世界を救うのか?という留学テーマを掲げました。
私は世界で求められる医療の姿を学ぶ為、カンボジアに留学し医療の原点について考えました。医療インターンボランティアに参加する中で、医師にインタビューを行い、現地の方にアンケート調査を通じて医療の現状について伺いました。地域アウトリーチでは、生活習慣病など現地の医療課題を理解しました。健康と笑いヨガの講義を通じ、実際に笑いヨガをレクチャーしました。健康教育と心のケアを融合させる体験を提供する事ができました。異文化の中で主体的に行動し、課題を発見して解決に挑む力や、人々に良い影響を与える力を身につけました。「医療の姿」は国によって違っても、根本にある“全ての人が安心して医療を受けられる仕組み”こそが世界共通で求められていると学びました。

留学の動機

中1の春、「また会おうね」と一緒に小学校の卒業を迎えた親友を亡くしました。死因は脳腫瘍で癌でした。私は「仁」の精神を持った医療従事者になると心に誓いました。アメリカのミネソタ州メイヨークリニックは数多くの医療従事者が町ぐるみで患者や家族をサポートする人に優しい医療都市だと知り感銘を受け、宮崎にも作る事ができれば地域医療の発展と社会に貢献出来ると確信。夢を実現する為に私はもっと世界で学びたいのです。

成果

将来、地元宮崎に医療都市を作る夢を実現する為、カンボジアで医療について探求活動を行いました。病院での視察や貧しく医療を受けられない人々へのアウトリーチ活動を通じ、言葉や文化の壁を越えて相手の反応を読み取り、工夫して関わる力が身につきました。アンケートやインタビュー、講義を実施し短期間でも相手の行動や意識に具体的な影響を与えられる事を実感しました。課題解決力と主体的に行動する力が養われました。

ついた力

巻き込み力

カンボジアでの活動を通じ、自ら課題を見つけて行動する力、異文化や言語の壁を柔軟に受け入れて対応する力、そして笑いヨガを通じて子どもたちを巻き込みながら場をつくる力を身につけました。これらの力は、現地での実践と試行錯誤の中で培われた大きな成果です。留学前に地元の笑いヨガクラブに通い修行した下積みがあってこそだと思います。

今後の展望

将来は宮崎に国際医療都市を作り、世界を繋ぐ教育・研究・交流の場にします。豊かな自然と食に恵まれた宮崎は転地療養に最適です。最先端医療と古今東西の医療を融合させ、雇用を生み経済を発展させ、他国の患者やその家族や研究者や研修生も受入れます。知識や技術を人々が広め世界中の医療が発展します。留学で得た課題発見力や異文化適応力、笑いヨガでの経験を活かし、人々を巻き込みながら心と体の両面で健康支援を行います。

留学スケジュール

2025年
7月~
2025年
8月

カンボジア(プノンペン)

1週間目は現地で生活するのに必要な習慣と実践的な英語を学びました。トイレのウォシュレットの使い方に吃驚しました。滞在するホテルは綺麗でしたが、トイレとシャワーが並んでいて仕切りがありません。棒付きのホースの使い方を教わりましたが難しかったです。迷子になった時の道の尋ね方を教わり、英語で街頭インタビューを行いました。机で学ぶより実践的でした。また、現地で16歳の誕生日を迎えお祝いしてもらえて嬉しかったです。

2週間目は医療プロジェクトに参加しました。途中、体調不良で医療を受ける側の体験をしました。海外で病院にかかるのは初めてでエコー検査や診察、投薬まで医療の現場を患者として見ることができました。現地スタッフの方が迅速に対応して下さいました。
クメールソビエト友好病院内の視察ではさまざまな部署で多くのことを学び、新生児ケアでは、赤ちゃんの状態を的確に見極めて早期退院を判断する現実を知りました。CICUでは、緊張感のある集中治療の環境を肌で感じることができました。理学療法の現場では、痛みを伴うリハビリの重要性を理解し、小児科では子どもの健康だけでなく、家族の生活背景や社会状況を考慮した医療が行われていることを実感しました。
オンコロジーでは、がんの複雑さや多様な治療法に驚くとともに、医療技術だけでなく患者や家族の心のケアも重要であると感じました。
病院の環境や設備についても、日本とは異なる現実を目の当たりにしました。日本では当たり前の空調設備やプライバシーを守る仕切りが十分でなく、患者の家族が床で寝泊まりする姿も見られました。これらの経験を通じて、医療は単なる技術だけでなく、患者や家族の背景を理解し支えることが不可欠であると強く実感しました。縫合の練習など貴重な体験をすることができました。
また、週末旅行で2泊3日、アンコールワットのあるシェムリアップを訪れました。長閑で穏やかな時間が流れていました。
昆虫食の屋台を見つけ、初めてタランチュラを食べてみました。お煎餅みたいにパリパリしていてハマりました。カンボジアの昆虫食の歴史はそれほど古いものではありません。今から50年程前、ポル・ポト政権下での大量虐殺に加え、食糧難も深刻化し、貴重なタンパク源だったのが昆虫食です。飢えをしのぐため昆虫が積極的に食べられるようになり、昆虫食文化が根付いたそうです。今は、非常食というよりも、スナック感覚で好んで食べられているようです。

3週間目の公衆衛生の面ではポスターを作成し、子どもたちに「Cambodia Clean」の啓発活動を行い、衛生意識を高める大切さを学びました。ヘルスチェックやバイタルサインの測定を通して、健康状態の把握と予防の重要性を体験できました。
印象に残ったのは、BMIの標準値を超えていない子が何人もいたことや、足先が壊死している子もいたこと、そして歯磨きが不十分で歯が汚れている子が多かったことです。
こうした現状を踏まえ、衛生教育や予防医療の重要性を実感しました。

4週間目は通年公衆衛生プロジェクトで多国籍な幅広い年齢層のメンバーと活動に取り組みました。現地でのアウトリーチ活動では、地域住民へのヘルスケア支援を行い、健康チェックや指導を通じて予防医療の重要性を実感しました。さらに、学校では子どもたちに向けてコレラに関するプレゼンテーションを実施し、正しい知識の普及と衛生意識の向上を図りました。オフィスワークでは薬の整理や患者の健康データ入力を担当し、医療現場を支える基盤業務の大切さを学ぶ機会となりました。実際の地域活動と事務作業の両面を経験する事で、公衆衛生の実践には現場と管理の両立が不可欠である事を理解できました。

5週間目は、現地でのアウトリーチ活動と子ども向け健康教育に力を入れました。地域の子どもたちに笑いヨガを取り入れた講義を行い、楽しみながら健康の大切さを学んでもらいました。アンバサダー活動として健康長寿世界一の日本で流行っている笑いヨガを紹介できて良かったです。一方で、子どもたちがタイに対して嫌悪感を抱いていたことが印象的で、文化や歴史的背景によって生まれる感情の複雑さを感じました。アウトリーチ活動を通じて地域住民の健康支援と同時に、こうした社会的、文化的理解の重要性も学ぶ機会となりました。
現地の方やアンケートや医師へのインタビューを実施しました。
・生活習慣病などの慢性疾患患者が多いのに健康への意識が低い為、患者は医師の言うことに耳を傾けないのが印象的でした。アクセスや経済面での受診困難者も多いのが現状です。また、気候の変動が激しいのも大変です。
・交通事故が多く、視察に行った病院で何人も搬送されていました。
・カンボジアで医療に従事するのはハードルが高いようです。
・医療も医療支援も持続可能なことが重要だと感じました。
・医師の方々も笑いヨガを知らず、私がプレゼンテーションした事で知ってもらえました。カンボジアの医療面で笑いヨガは役に立てると自信がつきました。

留学テーマである、カンボジアで医療の原点に触れ、笑いヨガは世界を救えると確信しました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:トラベルクリニックにて予防接種

85,000 円

クメールソビエト友好病院での視察。積極的に質問しました。
現地の小学校でのアウトリーチ活動。
メコン川を渡りダック島(シルク島)でのアウトリーチ活動
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:トラベルクリニックにて予防接種

85,000 円

スペシャルエピソード

カンボジアで迎えた16歳。世界平和を願う。

私は、留学中に16歳の誕生日を迎えました。一緒に活動している仲間にステーキとケーキでお祝いしてもらいました。とても嬉しく忘れられない7/24となりました。
その一方で、7/24 タイとカンボジアの国境付近では、軍事衝突が起きました。
7/27 アメリカのトランプ大統領が電話会談で停戦を要請しました。
7/28 ASEAN議長国マレーシアの首都クアラルンプールにて首脳会談が開催され、停戦合意しました。私の弟がクアラルンプールに留学中の出来事でした。日本にいる両親も心配して連絡をくれました。
引率の方や滞在先の方は常に軍事情報にアンテナを張り、私達の安全に気を配って下さいました。カンボジアとタイは停戦合意後も、両国は互いに攻撃を受けたと非難し合っています。プレアビヒア寺院遺跡周辺の土地の領有権を巡って長年対立しています。2008年にカンボジアがこの寺院を世界遺産に登録しようとしたことが、関係の悪化のきっかけとなりました。
私が週末旅行で訪れたアンコールワットからプレアビヒア寺院遺跡まで約200㎞の距離。長閑で穏やかな時間が流れていたのが印象的でした。争いのない、平和な世界でありますように…。世界が身近に感じました。

カンボジアで迎えた16歳の誕生日。みんなありがとう!
週末旅行でアンコールワットに訪れました。
アンコールワットからの日の出は最高でした。

留学中にやってしまった、私の失敗談

留学中に体調不良で、病院を受診し検査と診察を受けることになりました。幸い、医療に明るい留学先だったので安心して療養することができました。医療費は、もちろん実費です。請求されるままに現金で支払いをしてしまい手持ちの現金が足りなくなってしまいました。日本にいる母に頼んでカードに入金してもらい、カンボジアのATMで現金を引き出しました。留学保険に加入していたので、支払いをする前に保険屋さんに問い合わせてキャッシュレス決済にすれば現金が手元に残せたのにと反省しました。
ちなみに、病院を受診する前に保険屋さんに相談すると日本語対応の病院やキャッシュレス決済対応の病院を紹介してくれるそうです。留学前に調べておくべきでした。

カンボジアの病院を受診

カンボジアで髪を切る!しかも床屋で!?

留学前にヘアドネーションをしてショートヘアになりました。
髪の毛って意外と伸びるもので、現地で髪を切る場所を探していました。たどり着いたのは、床屋さんでした。フレンドリーな店員さんにいい感じにカットしてもらいました。
トゥクトゥクの運転手さんもフレンドリーでした。

メンズカットに挑戦!
フレンドリーな店員さんと記念撮影!
トゥクトゥクの運転手さんもフレンドリーでした。

16歳の高校生が海外で医療系のボランティアをするハードルの高さ

  • 留学先探し : ボランティア

私は医療に関するボランティア活動がしたいと思い留学を決めました。受け入れ先はたくさんあってすぐ見つかると思っていました。
でも実際、受け入れ先を探す為にいくつもの留学エージェントに問い合わせをしていく中で、16歳の高校生が海外で医療系のボランティアをするハードルの高さに直面しました。
未成年が海外でボランティアをすることは「就労」とみなされ、児童労働に関する国際条約で禁止されており基本的にはできないのが現状です。ボランティアをするのに就労ビザが必要だったりします。
未成年でも参加可能なボランティアの種類は、スタディツアー型ボランティア、未経験者向けボランティア、短期集中型ボランティアです。
日本にいるとボランティアって誰でも参加できるイメージだったのでビックリしました。
何件も断られて諦めかけていた時、インターネットでやっと見つけました。
私のやりたかった医療インターンボランティア活動に16歳以上であれば参加できるプログラムがあり嬉しくなって問い合わせました。lineや電話で質問し、オンライン説明会にも参加して申込を決めました。
トビタテ生の中には、滞在先周辺の病院に片っ端からメールを送りアポ取りをして自分で受入れ先を開拓した強者もいます。諦めずに探してみると最高の受入れ先と出会えます。そのプロセスこそが大切だと思います。

アウトリーチ活動
公衆衛生「Cambodia Clean」の啓発活動
病院内での研修

異文化を理解し、尊重するには?

  • 生活 : 食事

初めて出会った昆虫食。屋台で虫が山積みにされてるのを目にしてビックリしました。
挑戦してみたら意外とハマってしまいました。タランチュラはパリパリしてお煎餅みたいな感じでした。
イナゴやコウロギなど入った昆虫ミックスにもチャレンジしました。最初は見た目のインパクトに驚きました。食わず嫌いはもったいない!

ルーツはポル・ポト政権時代の食料難で貴重なタンパク源や栄養源でした。カンボジアの昆虫食の歴史はそれほど古いものではありません。
今から50年程前、ポル・ポト政権下での大量虐殺に加え、食糧難も深刻化し、貴重なタンパク源だったのが昆虫食です。飢えをしのぐため昆虫が積極的に食べられるようになり、昆虫食文化が根付いたそうです。
今は、非常食というよりも、スナック感覚で好んで食べられているようです。

山積みになった屋台の昆虫達
タランチュラ美味しい。パリパリしてお煎餅みたい。
昆虫ミックス(イナゴ、コウロギ、カメムシ、タランチュラ)

世界一の長寿国日本より笑いヨガを発信する!宮崎を知ってもらうアンバサダー活動。

  • 帰国後の進路 : その他(インターンシップなど)

アンバサダー活動として笑いヨガを選択しました。留学前、近所の公園で出会った笑いヨガクラブに飛び込み参加し、修行しました。
近年の日本では笑いヨガが流行しており、笑いヨガを行うクラブやジムでも笑いヨガが行われています。道具も使わず、老若男女、障害の有無に関わらず誰にでも出来て効果絶大です。笑いを通して健康・喜び・世界平和をもたらします。笑いヨガは言語や国境の壁超えることを証明したいです。
笑いヨガクラブでアンケートを実施し、集めたデータでは「体も心も軽くなった」、「元気に過ごせる」、「笑うと痛みを感じない」、「明るくなった」、「おおらかになった」などの効果が得られた方が多くいました。
カンボジアでのアウトリーチ活動と子ども向け健康教育に力を入れたのですが、地域の子ども達や先生方に笑いヨガを取り入れた講義を数回行い、楽しみながら健康の大切さを学んでもらいました。
帰国後に近所の公園の笑いヨガクラブに参加しました。皆さんカンボジアでの経験について興味津々で根掘り葉掘り聞いて下さり楽しい時間を過ごせました。

また、寮母さんの協力を得てアンバサダー活動で日本を代表する宮崎の高千穂の釜炒り茶(ティーパック)と月の塩を持参しお弁当とお茶を作り、多国籍なボランティア仲間と味わいました。
アウトリーチ活動で汗をかいたので、水分と塩分チャージにも貢献出来ました。
生産量日本一の高千穂の釜炒り茶は、スッキリとした味わいで好評でした。北浦の月の塩は相撲で使われる清め塩として有名でまろやかな味わいで会話も弾みました。

宮崎の笑いヨガクラブのみなさんご協力ありがとうございました!
カンボジアでの笑いヨガの講義の様子
料理上手な寮母のラさんご協力ありがとうございました!

留学前にやっておけばよかったこと

簡単な現地の言葉(クメール語)は予習していったのですが、貧しく医療を受けられない人々へのアウトリーチ活動で、英語が伝わらずクメール語が十分に理解できず、活動をスムーズに進められなかった経験があります。子どもに限らず、多様な人々の反応や状況を観察し、臨機応変に対応する力を事前に身につけておけば、より効果的に支援できたと感じます。今後は言語や文化の理解を深めて準備したいです。

留学を勧める・勧めない理由

留学を強く勧めます。異なる文化や環境で、言葉や状況が十分に通じなくても、相手の表情や行動を観察し、自分なりの方法で関わる経験は貴重です。困難に直面しても工夫して課題に向き合うことで、自分の力や考え方を大きく広げられる貴重な機会です。まずは、勇気を出して挑戦しましょう!
小さな挑戦でも必ず力になります。自分を信じて一歩を踏み出せば、必ず新しい世界が広がります。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は学びに行くだけではなく、自分の可能性を試す場でもあります。思い通りにいかないことや想定外の出来事もありますが、それこそが一番の学びになります。大切なのは「楽しむこと」と「自分から動くこと」です。トビタテで留学を目指すなら、夏休み以降での留学も視野に入れ検討をしてみてください。事前課題や渡航準備に追われてバタバタせず良いかもしれません。予習は大切です。