留学内容
日本の自然エネルギー導入においては、特に熱の利用に関してまだまだ多くの課題が存在します。
例えば、(1)電気部門にばかり着目していて、熱部門への自然エネルギー導入の議論がない(2)バイオマス発電において、その廃熱が有効利用されず、約70%のエネルギーが捨てられている(3)「お天気まかせ」と言われる自然エネルギーの制御に関して有効な手立てが取れていない、など。
ヨーロッパ、特にデンマークで広く普及しているシステム「地域熱供給」は、こうした課題を解決する高いポテンシャルを有しています。上の課題に対応させると、(1)自然エネルギーを暖房・給湯に利用することができ、(2)バイオマス発電の廃熱利用のインフラとなり、(3)作りすぎた電気を熱として貯める機能によってエネルギーシステム全体の柔軟な調整を可能にしてくれるシステム、と言えるでしょう。
この地域熱供給の日本での導入可能性を探るべく、約5か月間、デンマークの自然エネルギー事業コンサルタント会社PlanEnergiでインターンをしてきました。実際の地域熱供給事業立ち上げのプロセスに携わることで、日本とデンマークの違いを整理し、日本においてどのようなことが課題となるのか、それをどうしたら回避できるのか、想定より様々な学びを得て帰ってくることができました。