留学大図鑑 留学大図鑑

南京嬢

出身・在学高校:
長岡工業高等専門学校
出身・在学校:
豊橋技術科学大学
出身・在学学部学科:
工学部
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年08月21日 初回執筆日:2017年08月21日

近代中国の歴史を学ぶ/異文化にトビコム!

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • 東南大学建築学院
  • 中国
  • 南京市
留学期間:
12ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,500,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
中国語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル

留学内容

『近代中国を対象とした技術者組織の評価及び他地域との比較』というテーマの研究をしており、その研究をより深いものにするため、中華人民共和国江蘇省南京市にある東南大学建築学院の汪暁茜先生のもとに1年間留学した。
学校生活・研究生活は汪先生の指導のもと、学内外の図書館や公文書館などで資料収集や整理をしたり、講義に参加したりした。収集活動により数多くの資料を収集できたとともに、現在どのような研究が中国国内で盛んになされているのかといったことも知ることができた。また、研究室の学生や現地研究者とも積極的に交流することができた。
研究以外の活動では、南京市やその周辺都市の歴史的街区を見て回り、歴史的街区の再活用についての知識を深めることができた。さらに現地人の友人と中国の伝統文化を体験することもでき、非常に貴重な体験ができた。

留学の動機

近代中国を対象とした研究をしており、中国で資料収集をしたり研究活動をしたりしてみたいと以前から思っていた。しかし、金銭的なこともあり、長期間中国に滞在し、そういった活動に従事することができずにいた。”トビタテ!留学JAPAN”というプロジェクトを知り、またとない大きなチャンスだと感じ、指導教官などに相談の上、”トビタテ!留学JAPAN”プロジェクトに参加し、留学することを決意した。

成果

研究方面:数多くの資料を収集することができた。現在、その資料の解読を進めており、その結果と手持ち資料との結果をあわせて分析を行い、論文として発表する予定である。
研究外の活動:中国人の友人とともに中国人に混ざって、現地の伝統文化を体験するという貴重な体験をすることができた。また、留学生寮で生活していたため、世界各国に友人を作ることができたとともに、その国の料理や文化などを少し知ることができた。

ついた力

行動力、受容力

行動力:約束や予定、期日が守られないといった経験を何度もしたため、密に連絡を取り、必要であれば手順などを調べて相手の行動を促すといった行動をためらいなくとれるようになった。
受容力:「風邪気味のときは白湯をたくさん飲む」といった、現地人のアドバイスを無条件に受け入れていたが、なぜそういった行動をとるのか?と考え、理解し受け入れることによって、よりスムーズに日常生活が送れるようになった。

今後の展望

留学を通じて、日本という国の文化や物が広く受け入れられていることを実感することができた。一方で、極端なイメージが先行してしまっていることや、日本文化の勘違いにも度々遭遇することがあった。また、日本に行ってみたいけど行く機会がないという人たちにも会うことができた。
今後は、日本文化や日本の良さの発信や、来日する人を増やす/海外に行く日本人を増やす活動に携わっていきたい。

留学スケジュール

2016年
2月~
2017年
2月

中国(南京市)

汪先生の研究室に籍を置きながら、研究室の学生と見学会に出かけたり、学外講演会に行ったりした。研究活動では、大学の図書館や市立図書館をはじめとした図書館、公文書館に資料収集に行ったり、関連する場所へ実際に出向いたりし、多くの資料を収集することができた。
日常生活では中国語が必須であり、当初は会話に大変苦労した。また、留学生寮に住んでいたため、中国語の他に英語も日常的に話さなければならなかった。留学生寮では各階に共同キッチン、自室内にミニキッチンがあったが、電化製品などは各自用意しなければならなかったため、週末や休日のみ自炊をし、普段は学生食堂や学校周辺の飲食店を利用した。留学生寮は2人部屋であったが留学前半は1人で部屋を利用し、後半にロシア人のルームメイトができた。
物怖じせずに英語や中国語などを口から発するようになったり、下調べなしに見知らぬ土地にフラッと出かけたりするようになった。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

学生食堂の様子
東南大学四牌楼校区
汪先生研究室のメンバーと歓迎会で訪れた玄武湖周辺で
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

笑いあり、涙あり!留学中にあった、すごいエピソード

地理的には日本の近くに位置している中国ですが、環境や衛生面は日本の比ではなく過酷でした。留学中、体調を崩してしまうことも度々ありましたが、民間療法を試してみたら不思議と治ってしまいました。病院に行っても人、観光地へ行っても人、どこへいっても人人人…と人の山ができている状態が普通の中国、アナウンスに従って動いたのに辿り着いた先で違うと言われ、最初の場所に戻りまた人をかき分け…といった経験も何度もしました。そのような経験の中でも最も印象的だった経験が、友人の実家で旧正月を過ごしたときに体験したことでした。友人の実家は農村部にあり、都市部では禁止されている爆竹を鳴らしたりでき、伝統的な旧正月の過ごし方を体験することができました。お祝いの料理を作る際、生きているアヒル(カモ?) を殺し、それを調理し残さずに食べるという光景を目の当たりにしました。スーパーでも手頃で調理しやすい肉が売られているのに、なぜわざわざ手間がかかることをするのだろうと疑問に思い尋ねると、「切り分けられている肉を買うよりも新鮮だし、安全。家族全員が揃うのは1年に1度くらいだから、手間をかけても損はない」というのが理由だとのことでした。日本で生活していると何も感じずに肉を食していますが、命をいただいて生きているのだということをこの経験を通じて改めて確認できました。

お祝いの料理のメインディッシュになったアヒル
友人実家のキッチンは薪を使うタイプのもの

現地銀行口座開設

  • 生活 : お金

航空券購入やビザの申請、授業料や寮費の前払いなどで、出発前の奨学金が支給されるよりも前にある程度の出費が必要でした。事前の出費は後から戻ってくるのですが、その当時は留学してから最初の奨学金が支給されるまで持ちこたえられるかな…と不安になったこともありました。
留学中のお金の引き出しや決済については、VISAやMasterのクレジットカードを持っていたため海外でも安心していましたが、中国人の友人から中国国内では使えないことが多いと聞き、Union Pay(銀聯)カードを日本国内で作りました。奨学金の振込先を銀聯カードの銀行口座にしようと手続をしたのですが、その過程でその銀行口座は振込先に指定できないものだと判明し、手数料なども考慮して家族に銀聯カード口座への振込を依頼しました。
現地ではVISAカードやMasterカードが使えないことが多く、使用可能なATMからの引き出しもできなかったり、使用可能なATMが少なかったりということが多々あり、銀聯カードを用意しておいて良かったと思いました。しかし、海外で発行した銀聯カードでできる範囲には限界があったため、現地の銀行口座を開設しました。口座開設に際して、銀行によっては学校からの承認が必要であったりする場合があり手間取りましたが、開設後は日常生活がよりスムーズに送れるようになりました。
中国では日本以上にデジタル化が進んでおり、偽札問題の面などからもインターネットバンキングが一般的となっています。電子決済サービスも充実しており、それらを利用するのにも現地の銀行口座の存在は便利でした。
両替レートは日々変動するので随時確認し、現地通貨に換金する、口座から引き出すといったことも、長く生活を続けていく上では必要な知識でした。今では、引き出した現金や換金した現金は偽札ではないかその場で確認するといった癖もついてしまいました。

留学前にやっておけばよかったこと

1.語学学習:英語コースでも現地語の習得は必要不可欠
2.日本文化の習得:着物の着付けや折れる折り紙の種類を増やしておくと留学生と仲良くなるきっかけが作りやすい
3.料理の習得:日本料理が恋しくなる日はいつかやって来るので、その時に作ることができると低コストで済ませられるとともに、アンバサダー活動にもなる

留学を勧める・勧めない理由

留学を勧めます!見聞きするより実際に体感、経験するのは得られるものの多さが比ではありません。現地で生活しなければ気づけないことも多々あるということが留学して分かりました。
また、日本人の少ない環境に身を置き、圧倒的マイノリティーになるという経験を通して、より深く日本や自分を知ることができ、多角的な視点で物事を考え捉えることができるようになれ、新たな自分を発見できるので、留学は絶対オススメです。

これから留学へ行く人へのメッセージ

無謀と思えるようなことでも、やりたいことの設計図を描いて取り敢えず飛び込んでみることは、なかなかできないですし、一生の宝となります。1つのことをやり遂げた達成感は何物にも代えがたいですし、研修や留学で出会う人々は本当に一期一会の貴重な出会いとなることが多いです。一瞬一瞬を楽しめるように、キャパを拡張して充実した留学生活を!