留学内容
地球温暖化の影響は,持続可能な森林管理を困難にしています。なかでも温暖化による乾燥や落雷の増加に伴って,森林火災の規模が激化しています。もともと森林生態系には必要であった森林火災の頻度や強度が,人為的な影響で劇的に変化しています。このような背景の下,既に森林火災が多発しているスペインでは,先進的な研究が盛んに行われています。特に近年は,水の安定同位体技術を活用することで,樹木の水利用戦略を時空間的に評価することが可能になりつつあります。さらに,この最先端の同位体技術は,違法伐採の抑止力として機能することも期待されています。将来は研究者の立場から森林火災や違法伐採といった問題解決に貢献することを目指して,私は留学しました。3ヵ月間,夏期集中型のスタイルで実践的な研究活動に携わる毎日でした。技術習得は勿論,上記の世界情勢や課題解決に向けた考えを総説として学術雑誌に投稿,受理されました。次年度以降の研究デザインに活用することも計画しています。