留学内容
多民族国家の台湾で、先住民族や少数民族といった少数派の歴史や文化がどのように扱われているのか。また、先住民族の権利や政治との関わりはどういったものか。博物館・資料館・先住民族文化の観光施設など台湾全体を通して知る・考えることを目的に留学しました。
学芸員・来館者・先住民族の方ともお話をし、結果として歴史・文化・経済・政治・法律など多様な視点、漢民族・少数派民族など多様な立場から台湾先住民族の現状や問題点に触れることができました。
最終更新日:2024年04月02日 初回執筆日:2024年04月02日
語学力:
言語 | 留学前 | 留学後 | |
---|---|---|---|
中国語 | 挨拶など基本的な会話ができるレベル | → | 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル |
多民族国家の台湾で、先住民族や少数民族といった少数派の歴史や文化がどのように扱われているのか。また、先住民族の権利や政治との関わりはどういったものか。博物館・資料館・先住民族文化の観光施設など台湾全体を通して知る・考えることを目的に留学しました。
学芸員・来館者・先住民族の方ともお話をし、結果として歴史・文化・経済・政治・法律など多様な視点、漢民族・少数派民族など多様な立場から台湾先住民族の現状や問題点に触れることができました。
高2の春に北海道を一週間一人で旅行した経験をきっかけに、アイヌ文化、特にアイヌ語について関心を持ちました。
先住民族について海外で学ぶということは全く選択肢になかったのですが、学校からのお知らせでトビタテの存在を知り留学を決意。すぐに応募書類を書きました。
台湾の先住民族に関する博物館や資料館を訪れて気づいたことは、民族・ルーツ・文化の違いの垣根を超えた”台湾人”というアイデンティティが台湾社会において強い影響力を持っているという点です。
台湾における先住民族の文化は台湾人のなかの一つの文化として扱われ、多数派・先住民族などというものはあくまでも区別にすぎないのだという印象を持ちました。
物事を柔軟に考えられる力
留学を経て、物事を柔軟に考える力がつきました。当初は困惑しつつも日本とは異なる衣食住を自分事として体感したことで、日本という枠に囚われず国外ではどのような状況なのかなど日本の価値観のほかに国外・海外という視点・価値観が加わり、柔軟な物事の捉え方・考え方をするようになりました。
アイヌ文化やアイヌ語、博物館学を学び学芸員資格の取得を目指しています。日本に比べ先住民族施策が進んでいる台湾への留学を経て、先住民族に貢献できる日本にはまだ存在していない役割が多くあることにも気づきました。今後は既存の考えや価値観にとらわれることなく、アイヌ文化や北海道の社会に貢献できる役割を担っていきたいと考えています。
2023年
12月~
2023年
12月
台南市にある国立台湾歴史博物館を訪れ、台湾の歴史と先住民族の関わり・歴史展示のなかでの扱いについて探究しました。
常設展示の入り口には、さまざまなルーツや文化を持っていてもみんなこの島に住んでいる同じ台湾人という趣旨の解説文があり、台湾の歴史・台湾人の歴史を象徴する解説書きだなと感じました。こういった内容の解説文は台北の国立台湾博物館の人文エリアにもあり、台湾人の歴史認識・アイデンティティ形成に大きな影響を持っていると考えられます。
また、特に興味深かったのは台湾の多数派である漢民族のルーツに関する展示です。現代台湾の漢民族には本省人・外省人という概念があり、このうち本省人は第二次大戦終戦までに台湾に定着した漢民族を指します。本省人は清朝の時代に対岸の福建省・広東省などからやってきたのですが、この展示では「移民」と表現されていました。この移民が到来して以降は漢民族・先住民族などさまざまなエスニックグループが台湾の歴史に登場することになります。
台湾の歴史の一人称は「台湾に住む人々」なのだなと実感した展示でした。
学費:納入総額 - 円 |
住居費:月額 - 円 |
生活費:月額 - 円 |
学費:納入総額 - 円 |
住居費:月額 - 円 |
生活費:月額 - 円 |
2023年
12月~
2023年
12月
南投市の国立台湾文献館では、台湾社会と先住民族の権利について探究しました。日本語でコミュニケーションのできる学芸員と来館者の方の協力により沢山の質問をすることができ、台湾社会と先住民族について非常に理解が深まりました。
台湾では先住民族文化(言語・風習・土地など)の保護や先住民族出身者への特別措置(大学入試テストでの加点など)が認められています。これらの権利は各法律に記載がされており、先住民族の権利や保障の根拠となっています。漢民族や非先住民族出身者が多数派を占める台湾社会でなぜ先住民族の権利保障や優遇措置が可能であったのかについて疑問に思っていたのですが、この答えとして法整備と多文化社会の2点の理由が挙げられそうです。
先住民族選挙区選出の国会議員をきっかけに中華民国憲法が改正され、先住民族(原住民族)という言葉が憲法に明記されたほか、2005年に先住民族基本法(原住民族基本法)が成立したことで台湾社会において先住民族の権利を認める土壌が作られたことが現在に繋がっています。また、先住民族に限らず客家といった少数民族が存在することにより、台湾社会では自然に多民族多文化社会が形成されているため、各民族がそれぞれの異文化を受け入れることに大きな抵抗を感じないということも現在の先住民族の状況に繋がっているのではないかと考察しました。
国史館台湾文献館での探究活動では、先住民族の権利や社会制度の充実について多数派の理解を得るための方法として法整備が重要な意味を持つという結論に至りました。
学費:納入総額 - 円 |
住居費:月額 - 円 |
生活費:月額 - 円 |
学費:納入総額 - 円 |
住居費:月額 - 円 |
生活費:月額 - 円 |
今回の台湾留学では、ホームステイは利用せず全日程でドミトリーやホテルなどの安宿に滞在していました。お金をかけずに留学したかったのと、ホームステイは「ガチャ」だと聞いていたからです。
台北では1泊2000円程度のドミトリーに滞在しました。地下鉄駅直結で便利でしたし、新しくて清潔だったのでとても良かったのですが、シャワーブースがトイレと同じ空間にあって困惑。シャワーブースの棚の中も謎に濡れていて困惑。結構ストレスが溜まりました。
高雄では1泊2500円程度のホテルに滞在。このシャワールームを見て度肝を抜かれました。結局トイレも洗面台も全てを犠牲にしてシャワーを浴びることになったのですが、日本のお風呂との大きすぎる違いに戸惑ったまま全く慣れませんでした。日本のお風呂・水回り事情はとても恵まれているのだと実感し、海外で生活する経験のおもしろさ・大切さを感じた出来事の一つです。
節約を目的に行ったドミトリー滞在ですが、結果的にとても良い経験になりました。日本と海外の衣食住の違いを自分事として実感し「異文化」を最大限受け止めることができたし、日本の生活環境の素晴らしさに気づくこともできました。
海外留学の一つの選択肢として、ドミトリー滞在も結構おもしろいぞということを知ってもらえたら嬉しいです。
留学に行くハードルの一つとして英語力があると思います。私は本当に英語が苦手で全然しゃべれません。でも台湾なら大丈夫!日常生活を送る上で英語は全く使いませんでした。
台湾で使われる文字は繁体字と呼ばれ、日本で使う漢字にかなり近いので文字が読めないということはあまりありません。見れば・読めば、なんとなく意味がわかるのが中国語の良いところです。英語を喋れる台湾人も多くないので必然的に中国語でのコミュニケーションになりますが、こちらも日本語の発音と似た部分もあるので思ったほど難しくないです。台湾は日本語学習者も多く、人によっては日本語でコミュニケーションをしてくれる場合もありますし、地下鉄や観光地では日本語案内も充実しています。
英語力に不安があるなら台湾への留学がおすすめです。
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