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でんちゃん

出身・在学高校:
静岡県立下田高等学校
出身・在学校:
静岡文化芸術大学
出身・在学学部学科:
文化政策学部・国際文化学科
在籍企業・組織:

教員志望ということもありInstagram、Xは伏せさせていただきます。
アイルランド


最終更新日:2025年03月24日 初回執筆日:2025年03月24日

先生の卵、アイルランドの高校へ潜入!

留学テーマ・分野:
現地の大学へ通いながら高校でのフィールドワーク
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Dublin City University , Mount Temple Comprehensive School
  • アイルランド
  • ダブリン
留学期間:
4ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,300,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<IELTS 6.0> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

アイルランド独自の教育システム「トランジションイヤー」に注目し、現地の大学に通いながら高校(Secondary school)でアシスタントとして活動し、参与観察をしてきました。高校で実際に行っていたこととしては、日本語の担当の先生について中学3年生から高校3年生の授業のサポートをしていました。簡単にいうと、日本の英語の授業にいるALTの完全無給版だと思います。日々の授業にプラスして、トランジションイヤーの生徒たちを連れて日本食レストランへ行ったり、高校2年生の生徒たちを連れて大学の授業体験へ行ったりしました。他にも、学校の教員向けの研修に参加させてもらったり、キャロルサービスにも参加しました。

留学の動機

私の一番好きな映画である「シングストリート」を初めて観た時から、いつかアイルランドで聖地巡りをしたいと考えていました。そして大学2年生の秋にアイルランド短期留学を実現させました。しかし帰国後アイルランド愛がさらに高まってしまい「何とかしてもう一度行きたい」と考えるようになりました。せっかく行くなら将来目指している「高校教員」という仕事と掛け合わせた計画を立てようと思い、今回の留学計画ができました。

成果

「トランジションイヤー」について、留学前は生徒たちの観察に加えて聞き取り調査をすることで教育効果を測ろうと考えていました。しかし、実際はそこまで達することができず、環境に慣れることや生徒との関係を築くことで精一杯でした。初めは生徒も言っていることもわからず、本当に大変で何度も心が折れそうになりましたが、最終日に生徒から手紙をもらったり「寂しい」と言ってもらい、頑張ってよかったと思いました。

ついた力

行動力、立ち直り力、諦めない力

私は今回の留学を通して行動力がついたと思います。前回の留学はエージェントを介したものでしたが、今回は全て自分で計画しました。「アイルランドに何とかして行きたい」、「現地の高校で働いてみたい」という思いだけで、アイルランド中の高校にメールをしたり、血迷って浜松市に住むアイルランド人を尋ねたこともありました。これらの経験を通して、「とにかく何でもやってみる」「行動し続ける」力がつきました。

今後の展望

今後は2025年5月に教員採用試験を受け、高校教員として働きます。そして「とにかく行動してみる経験」を通して成功体験を積み、自身のキャリア形成に活かせるような生徒を育てたいと考えています。また、今回の留学で作り上げたアイルランドの高校との繋がりを持ち続け、いつかは自分の生徒をアイルランドに連れていきたいと考えています。

留学スケジュール

2024年
9月~
2024年
12月

アイルランド(ダブリン)

Dublin City Universityの留学生として大学の寮に住み、週4コマ授業を履修しながら、週に3日Mount Temple Comprehensive Schoolで日本語のアシスタントとして活動していました。Dublin City Universityは大学の協定校ではないので自分でメールをして、必要書類を集め、受け入れ許可をいただきました。元は教職科目の履修や聴講を計画していましたが、留学生の履修は認めていないと言われてしまい、一般科目のみの履修をしていました。教育関係の科目の履修はできませんでしたが、安心安全な住居、ビザの発行など様々な面で大学に行っていて良かったなと思いました。
Mount Temple Comprehensive Schoolで日本語のアシスタントについては、月火木の午前中に活動していました。実際に行っていたこととしては、授業についていけていない生徒のサポートや課題の採点、掲示物づくり、イベントの引率などをしていました。また、たまに1コマ分使って私の特別授業もしていました。私はまだ教育実習にも行っていないので、初めて生徒の前で自分の作った授業をしました。初めはボロボロでしたが、最後は何とか形になるようになりました。
大学は他にも留学生がいるし、年代も近いので孤独を感じることはなかったのですが、アシスタントとしての活動では、生徒たちが言っていることが何もわからない、先生たちの会話もわからないというようにたくさんの人に囲まれているのに孤独を感じていました。しかし、徐々に英語に慣れ、生徒たちとの会話も楽しめるようになり、最終日には「先生がいなくなるのが寂しい」と言ってもらえるまで関係を築くことができました。
異国の地でアイルランド中の高校にメールを送ったり、生徒と関係を築いたり、教員向け研修に参加したりすることを通して、「とにかく動いてみたら何とかなる」といい意味での楽観性を持つことができるようになったと思います。

費用詳細

学費:納入総額

1,000,000 円

住居費:月額

160,000 円

生活費:月額

100,000 円

アシスタント最終日の写真です。
大好きなシングストリートの俳優さんに会えました!
ダブリンの街並みです。これからも何度でも行きたいです。
費用詳細

学費:納入総額

1,000,000 円

住居費:月額

160,000 円

生活費:月額

100,000 円

スペシャルエピソード

留学で確信した、“私はこれを目指す!”

現地の高校で、受験を控える高校三年生の授業のアシスタントもしていました。アイルランドの受験科目には「日本語」が選択科目としてあり、レベルもHigherかOrdinaryか選択できます。多くの生徒はHigherを選択していたのですが、「なかなか伸びない」と悩み、Ordinaryに変更した生徒がいました。彼は「自分は記憶力が弱くて単語が本当に覚えられない」といつも話していました。そして、単元末のテストでこのまま0点を取ってしまったらいよいよモチベーションが保てなくなると思い、Ordinaryの生徒たちに個別指導をしました。テストでよく出る単語を「日本語は漢字一つ一つに意味があって〜部首やへんが〜」というように詳しく説明して叩き込んだ結果、テストでかなり良い点を取ることができ、「今までで一番いい点取れたよ!」と周りの生徒にも自慢していました。この姿を見て、「小さな成功体験は生徒の中で自信になる」ということを改めて感じました。日本での学習支援などの活動でもこう言った姿は数多く見てきましたが、言語・国が違っても教育の本質は変わらないのだと確信しました。今後、教員として生徒たちにたくさんの成功体験を積ませ、自信に変えていってほしいと思います。

こんな感じで個別指導をしていました。

留学中に、自分を勇気づけてくれたモノ・コト

留学最終月に2年前にアイルランドで知り合った友達とアムステルダムに旅行に行きました。そこでフリーマーケットをしているのを見つけ、散策していたら「おにぎり屋さん」を見つけました。この「おにぎり屋さん」を見つけた瞬間、色々な思いが込み上げてきて泣いてしまいました。というのも、このアムステルダム旅行の前日に高校での最後の活動を終え、達成感があったということ、何となく最終月に入ってからずっとホームシック気味だったこともあり、海苔とお米を見ただけで涙が出てきてしまいました。お店の前で泣いていたら店主さんが出てきて「どうしたの?日本人?」と声をかけてくださり、「何があったかはわからないけど、何となく気持ちはわかるからこれ食べて」と梅おにぎりを握ってくださいました。人の温かみ、故郷の味で本当に今までで一番美味しいおにぎりでした。

人生一おいしかったおにぎりです。

夢が叶った瞬間

私がアイルランドに行くことを決めたきっかけである「シングストリート」の主人公役をしていた俳優さんに会うことができました。この俳優さんは、現在バンドでの活動をしており、そのバンドがダブリンでライブをするということを聞きつけ行きました。ライブ中もずっと感動で泣いて、ライブ後も余韻でずっと泣いていたら、おじさんとおばさんに話しかけられました。「どこからきたの?」などと聞かれ、「シングストリートが好きすぎて日本から来た」と答えると、彼らはその俳優さんの叔父叔母であることが分かり、俳優さんを呼んで来てくれました。感動でずっと泣いていたのですが、直接目を見て「シングストリートが好きすぎて数十回見ていること、ダブリンには2回来ているけれど、1回目は会えなくて、今回ようやく会えた」と伝えられました。高校生の頃初めて見てからずっとずっと大好きだった人に会えて、夢が叶った瞬間でした。

大好きな映画の俳優さんです。

とにかく考えられる手段全てを試した

  • 留学先探し : ボランティア

教員免許もまだ持っていない、留学生ということもあり、現地の高校の受け入れ先探しに本当に苦労しました。大学の教授のコネなどがあるわけでもなかったので、まずは受け入れ先の大学の教授にメールをし、大使館にも連絡をしました。それでも上記の理由から断られてしまいました。大きい機関を通すとシステム的にもうまくいかないことは薄々気づいていたので、GoogleでDublin Secondary Schoolと検索し、上から順にメールを送りました。色々なメールアドレスから、色々な文章で、時差を計算して現地の朝9時の1番目につきやすそうな時間に送るなど、様々な方法で試してみたけれど、返事がこない、もしくはお断りのメール、というような状況でした。このままだと本当に受け入れ先が見つからないと思い、血迷って「アイルランド人と知り合ってその人の母校を紹介してもらおう!」と思いつきました。そこから私が住む浜松市には2人だけアイルランド人がいるということを聞きつけ、とりあえず国際文化交流イベントに行ってみました。そこに奇跡的にアイルランド人の方がきていて、さらに奇跡的に教育関係に詳しい方で、「ここに連絡するといいよ」とアイルランドの言語教育に力を入れている機関を紹介してくださいました。すぐにその機関に連絡をし、奇跡的に日本語が話せるアシスタントを募集している先生と繋げてくださり、無事に受け入れ先を見つけることができました。
この経験から、どう考えても無理ということでも思いつく手段を全て試してみたら上手くいくのかもしれないと思うようになりました。また、情報は待っているだけでは得られず、動いて求めてようやく得られるものだと痛感しました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

楽しいことよりもどちらかというと辛いことの方が多いかもしれません。でも帰ってきたらそれも含めて自分を成長させた大切な経験になるので大丈夫です。辛い時は思いっきり泣いて寝たら何とかなります。それに世界のどこかでの頑張っている仲間がいます。グループチャットに病みましたと言ったら誰かが返事をしてくれます。世界中で頑張っている仲間がいるって本当に心強いことです。上手く頼りましょう。