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大津里穂

出身・在学高校:
ぐんま国際アカデミー高等部
出身・在学校:
出身・在学学部学科:
在籍企業・組織:

ルワンダ留学を計画したきっかけ、準備、現地での活動について定期的に投稿していました。
よろしければご覧ください!


最終更新日:2025年04月07日 初回執筆日:2025年04月07日

ルワンダのNGO2か所でインターン!

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • NGO Mulindi Japan One Love Project/UMUCO MWIZA School
  • ルワンダ共和国
  • キガリ
留学期間:
16日間
総費用:
550,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 470,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<英検1級> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

国際協力に関心のある私は、ルワンダで日本人が関わる2つのNGOでインターンをしながら、JICAの支援現場も訪れました。キガリ滞在中は、義肢製作所を運営するNGOのゲストハウスに宿泊し、自炊をしながら活動しました。
1つ目のインターン先は、1994年のルワンダ大虐殺直後から30年間、義足を手作りし、紛争や事故、病気で手足を失った人々に無償で義肢や杖を提供しているNGOです。日本人女性のルダシングワ真美さんとルワンダ人のパートナー、ガテラさんのもとで、広報インターンとして16日間活動しました。義手の受け渡しに立ち会い、地方巡回診療の資金調達ミーティングへの同席、告知ポスターの作成を通じて、広報が支援活動の継続に果たす役割について学ぶことができました。
2つ目のインターン先は、JICAが支援する私立小学校で、5日間の授業インターンを経験しました。海外青年協力隊の先生と教材を手作りしたり、音楽の授業ではピアノ伴奏やピアニカ指導、日本の歌を紹介しました。絵画の授業では、子どもたちに将来の夢を描いてもらいました。農村でホームステイをした際、地域の小学校を訪問し、日本の文化を紹介しました。2つの学校訪問を通じて、ルワンダの初等教育の現場の現状を見ることができました。また、ルワンダ政府の教育機関NESAを訪問し、教育政策についてのインタビューも行いました。
さらに、JICAの支援について学ぶため、JICA事務所でのインタビューを行い、JICAが支援する若者向けスタートアップ拠点「K-Lab」や、デジタル製造支援の「FabLab」も訪問しました。これにより、日本のODAがICT立国と言われるルワンダの発展にどのように貢献しているのかを知ることができました。
ルワンダのジェノサイドから30年という節目に、当時の様子を知る義肢装具所の真美さんに紛争メモリアルを案内していただきました。

留学の動機

中学生の頃、JICAでの職場体験をきっかけに国際協力に興味を持ちました。同じ時期に学校のルワンダ講演会で、今回の受け入れ先の一つである義肢装具所NGOのルダシングワ真美さんと出会いました。真美さんはルワンダ紛争とジェノサイド後の28年間にわたり義肢や杖を作り無償で提供し続けている方で、その生き方に衝撃を受けました。実際にルワンダに行って真美さんのもとで学びたいと思い、受け入れをお願いしました。

成果

社会探究テーマは「世界で起こっている紛争に対して日本が行うべき支援とは〜NGOとODAの視点から見るルワンダ復興〜」でした。留学を通して、教育支援、社会復帰支援、スタートアップ支援といった多様なアプローチを学び、現地のNGOやODAの活動を実際に見聞きすることで、日本がどのように支援できるかの具体的な方法について理解を深めることができました。

ついた力

関係構築力

2つの受入機関との交渉、訪問、インタビューのアポイントメントは、エージェントやコーディネーターを通さず、自分で直接行いました。計画から留学まで約10か月間、様々な手段で現地とやり取りをしましたが、交渉を始めたときは中学生で、異なる世代、国籍、文化、価値観を持つ方々と信頼関係を築くことは難しく、相手の考えや背景を理解する努力をし、自分の考えや目的を伝えながら少しずつ関係を築いていきました。

今後の展望

広報や資金調達の視点を活かし、帰国後はNGO平和再建委員会(ARC)でインターンをしています。地域の外国籍の子どもたちに楽器指導もしていますが、留学前に彼らがルワンダの子どもたちのためにリコーダーをたくさん寄付してくれて、お互いに助け合うことが国際協力だと実感しました。今後も身近な問題から国際的な課題まで関心を持って、多くの人と関わりながら積極的に活動を続けていきたいです。

留学スケジュール

2024年
11月~
2024年
11月

ルワンダ共和国(キガリ)

1994年のルワンダ大虐殺直後から30年間、義足を手作りし、紛争や事故、病気で手足を失った人々に無償で義肢や杖を提供している義肢装具所NGOで、日本人女性のルダシングワ真美さんとルワンダ人のパートナー、ガテラさんのもと、広報インターンとして16日間活動しました。
義手の受け渡しに立ち会い、地方巡回診療の資金調達ミーティングへ同席したほか、告知ポスターの作成、SNSでゲストハウス紹介などをしました。真美さんがお忙しいときは、ゲストハウスの部屋でPC作業を行い、完成後に確認していただきました。お時間があるときには、国際協力やご自身の生き方、考え方について多くのお話を伺い、Kigali Genocide Memorialに案内していただきながらルワンダ紛争について学んだり、Kimironko Marketで色とりどりのアフリカ布や多様な食材を見て、アフリカの文化に触れることができました。
留学中は、義肢装具所と同じ敷地内にあるゲストハウスに滞在しました。近くのスーパーで購入した野菜や果物、日本から持参した食材を使い、自炊をしていました。何度か真美さんにルワンダ料理やエチオピア料理のレストランへ連れて行っていただきました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:タクシー

- 円

義肢装具所前で真美さんとガテラさんと
義足製作中の様子
Kigali Genocide Memorialで献花
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:タクシー

- 円

2024年
11月~
2024年
11月

ルワンダ共和国(キガリ)

JICAも支援している私立小学校で、5日間の授業インターンをしました。留学前には、この学校を設立し、現在は福島から経済支援を続けていらっしゃるルワンダ出身のNPO理事長と、ルワンダのスタッフの方に対応していただきました。現地では海外青年協力隊の先生にお世話になりました。
ルワンダでは珍しく、音楽と絵画を授業に取り入れた学校で、音楽の授業では、ピアノ伴奏や鍵盤ハーモニカの指導を行い、日本の歌「上を向いて歩こう」を紹介しました。また、日本から鍵盤ハーモニカとリコーダーを集め、2つの学校へ寄付しました。絵画の授業では、子どもたちに「将来の夢」をテーマに描いてもらいました。
算数の授業では、協力隊の先生が九九を覚えるためのカードを手作りする作業を手伝って、一人一人が暗唱するのを見守りました。体育では、二人三脚やサッカーを一緒に楽しみました。ルワンダの子どもたちは英語で教科を学び、さらに公用語であるキニアルワンダ語やフランス語の授業、ICTの授業も見学しました。
授業は、先生が黒板に書いたことを生徒がボールペンでノートに書き写すのが基本で、テスト問題や解答もすべて手書きです。私が子どもたちの名前を漢字の当て字で彼らのノートに書いたところ、すぐに隣りのページに漢字を書いて見せにきてくれて、とても上手で驚かされました。
ルワンダでは慢性的な教員不足が課題ですが、コロナの影響でさらに厳しい状況にあることが分かりました。授業料が払えない家庭のこどもはNPOが支援していました。協力隊の先生の「5年先も残る指導法と教材を残す!」という熱意に触れ、一時的でなく持続的な支援の重要性をあらためて感じました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

学園の子どもたちと
音楽の授業中
九九の教材を手作り
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ルワンダでは自炊していました

義肢装具所NGOに受け入れていただく際、「ルワンダ滞在中はずっとゲストハウスに宿泊して自炊をすること」が条件でした。最初は「アフリカで毎日食事を作るなんて無理」と思いましたが、協力隊員さんのSNSで紹介されていた美味しそうな投稿を見ているうちに、意外と楽しめるかもと気持ちを切り替えることができました。ガスコンロを使ったことがなかったので、カセットコンロで鍋を使ってご飯を炊く練習をしました。体調を崩した場合に備えて、日本から、栄養食、お味噌汁や雑炊のドライフードなども持参しました(幸い、現地で体調を崩すことは一度もありませんでした)。念のため、水を介した感染症対策として、A型/B型肝炎と腸チフスの予防接種も受けました。
ゲストハウスには広い共同キッチンがあり、滞在中は宿泊者は私一人だったため快適そのものでした。大きなガスボンベがあり、最初はなかなか火が着かなくて苦労しましたが慣れて、調理器具や食器、調味料が自由に使えました。飲水や調理用の水は、ゲストハウス隣りがミネラルウォーター屋さんでそちらで購入しました。おにぎりを作って、おにぎりアクション(おにぎりの写真を投稿するとWFPが支援するプロジェクトに寄付される仕組み)にも2回投稿しました。フルーツが豊富でパイナップルを丸ごと切ったりアイスやパフェを作ったり、ルワンダでの自炊生活はとても楽しかったです。

新鮮なルワンダ野菜でトマト煮込み
フルーツとヨーグルトでアイス、アボカドペースト作り
ルワンダでおにぎりアクション

選択して下さい

なし

エージェントやコーディネーターなしでの受け入れ交渉・渡航準備・現地での行動

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

1つ目の受入先でインターンとして受け入れていただく条件として、もうひとつ「現地コーディネーターは頼まないこと」がありました。16才で渡航する私の安全を最優先に考えて、責任の所在を明確にするためでした。トビタテに合格した4月に正式に受け入れをお願いして、メールで何度もやり取りして、安全対策や心構えについて何度もアドバイスをいただき、質問にも毎回丁寧に回答いただきました。
プログラムなどではないため、基本的に高校1年生が現地でできることはほとんどないのですが、それでも、PCを持って行ってできそうな広報を考えたり、現地でも、用意されたスケジュールがあるわけではないため、毎日、受入先と相談して行動しました。

2つ目の受入先の小学校、JICAの支援施設、教育機関へのインタビューは、ルワンダ人の方々との交渉で、ゆったりとしたアフリカ時間の感覚に触れました。
渡航の3ヶ月ほど前から、自己紹介や目的を書いた英文メールを送らせていただきましたが、後になって、ルワンダの方々にとっては早過ぎる交渉だったり、メールの英語や添付ファイルを読むことも一般的ではなかったと気づきました。メール→SMS→WhatsAppでテキストメッセージ→WhatsAppでオンラインミーティングと、次第にレスポンスの良い連絡手段が見えてきました。

渡航準備は、航空券、ビザ、保険の手配を、母と一緒にオンラインで行いました。予防接種は、渡航外来や真美さんに相談してアドバイスをもらい、都内で開催された国際協力グローバルフェスで相談したり、SNSでルワンダ協力隊員の経験者に質問させていただいたりしました。いろんな方のサポートがあって留学準備を進めることができました。関係者のみなさんと1対1でお話する機会に恵まれて、準備に時間はかかりましたが得られたものも多かったと思います。

オンラインでビザ申請(私のInstagram投稿引用)
オンラインでビザ申請

留学前にやっておけばよかったこと

スワヒリ語やルワンダ語を、もう少し覚えておけばよかったと思います。
ルワンダの公用語は、キニアルワンダ語、英語、フランス語、スワヒリ語です。英語でのコミュニケーションを想定し、挨拶程度の単語しか覚えていませんでした。英語が通じる場所が多かったので、特に困ることはなかったのですが、現地で使えそうな言葉をメモして持っていったにもかかわらず、積極的に使ってみようという姿勢がなかったと感じます。

留学を勧める・勧めない理由

私は学校の課題で日常的にリサーチを行い、できるだけ公的な情報を引用すればそれが正しい情報だろうと信じていました。しかし、留学を通じて、公的な情報であっても、時間の経過や状況の変化によって必ずしも現実と一致しないことに気づきました。現地ではデリケートな問題に直面することもあり、そうした情報は公にされていないことが多いため、自分の目で確かめることが留学の大きな価値だと感じています。

これから留学へ行く人へのメッセージ

私は小学生の頃、同じ学校の先輩からトビタテで留学する話を聞き、その目が輝いているのを見て、私もトビタテに応募したいと思いました。トビタテは「好きなこと留学!とりあえず好きなことで行ってみよう!」というプログラムです。ぜひ自分がワクワクする留学を実現してください!