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大津里穂

出身・在学高校:
ぐんま国際アカデミー高等部
出身・在学校:
出身・在学学部学科:
在籍企業・組織:

ルワンダ留学を計画したきっかけ、準備、現地での活動について、定期的に投稿していました。
よろしければご覧ください!


最終更新日:2025年03月25日 初回執筆日:2025年03月25日

ルワンダのNGO2か所でインターン!

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • NGO Mulindi Japan One Love Project/UMUCO MWIZA School
  • ルワンダ共和国
  • キガリ
留学期間:
16日間
総費用:
550,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 470,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<英検1級> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

国際協力に関心のある私は、ルワンダで日本人が関わる2つのNGOでインターンをしながら、JICAの支援現場も訪れました。キガリ滞在中は、義肢製作所を運営するNGOのゲストハウスに宿泊し、自炊をしながら活動しました。
1つ目のインターン先は、1994年のルワンダ大虐殺直後から30年間、義足を手作りし、紛争や事故、病気で手足を失った人々に無償で義肢や杖を提供しているNGOです。日本人女性のルダシングワ真美さんとルワンダ人のパートナー、ガテラさんのもとで、広報インターンとして16日間活動しました。義手の受け渡しに立ち会い、地方巡回診療の資金調達ミーティングへの同席、告知ポスターの作成を通じて、広報が支援活動の継続に果たす役割について学ぶことができました。
2つ目のインターン先は、JICAが支援する私立小学校で、5日間の授業インターンを経験しました。海外青年協力隊の先生と教材を手作りしたり、音楽の授業ではピアノ伴奏やピアニカ指導、日本の歌を紹介しました。絵画の授業では、子どもたちに将来の夢を描いてもらいました。農村でホームステイをした際、地域の小学校を訪問し、日本の文化を紹介しました。2つの学校訪問を通じて、ルワンダの初等教育の現場の現状を見ることができました。また、ルワンダ政府の教育機関NESAを訪問し、教育政策についてのインタビューも行いました。
さらに、JICAの支援について学ぶため、JICA事務所でのインタビューを行い、JICAが支援する若者向けスタートアップ拠点「K-Lab」や、デジタル製造支援の「FabLab」も訪問しました。これにより、日本のODAがICT立国と言われるルワンダの発展にどのように貢献しているのかを知ることができました。
ルワンダのジェノサイドから30年という節目に、当時の様子を知る義肢装具所の真美さんに紛争メモリアルを案内していただきました。

留学の動機

中学生の頃、JICAでの職場体験をきっかけに国際協力に関心を持ちました。同じ頃、学校のルワンダ講演会に参加して、今回の受入先機関1つ目の義肢装具所NGOのルダシングワ真美さんに出会いました。ルワンダ紛争とジェノサイド直後から28年間、義肢や杖を作り無償で提供し続けている真美さんの生き方に衝撃を受けました。ルワンダに実際に行って真美さんの側で学びたいと思い、受け入れをお願いしました。

成果

社会探究テーマは「世界で起こっている紛争に対して日本が行うべき支援とは〜NGOとODAの視点から見るルワンダ復興〜」でした。留学を通して、教育・社会復帰・スタートアップ支援の多様なアプローチを学びました。

ついた力

関係構築力

2つの受入機関との交渉、訪問、インタビューのアポイントメントは、エージェントやコーディネーターを通さず、自分で直接行いました。計画から留学まで約10か月間、様々な手段で現地とやり取りをしましたが、交渉を始めたときは中学生で、異なる世代、国籍、文化、価値観を持つ方々と信頼関係を築くことは難しく、相手の考えや背景を理解する努力をし、自分の考えや目的を伝えながら少しずつ関係を築いていきました。

今後の展望

広報や資金調達の視点を活かし、帰国後は、留学前から定期的にオンラインセミナーに参加していたNGO平和構築委員会(ARC)でインターンをしています。身近な社会問題から国際的な課題まで関心を持ち、多くの人と議論を重ねながら、行動を起こし、社会に良いインパクトを与える活動を続けていきたいです。

留学スケジュール

2024年
11月~
2024年
11月

ルワンダ共和国・リヒテンシュタイン(キガリ)

1994年のルワンダ大虐殺直後から30年間、義足を手作りし、紛争や事故、病気で手足を失った人々に無償で義肢や杖を提供している義肢装具所NGOで、日本人女性のルダシングワ真美さんとルワンダ人のパートナー、ガテラさんのもと、広報インターンとして16日間活動しました。
義手の受け渡しに立ち会い、地方巡回診療の資金調達ミーティングへ同席したほか、告知ポスターの作成、SNSでゲストハウス紹介などをしました。真美さんがお忙しいときは、ゲストハウスの部屋でPC作業を行い、完成後に確認していただきました。お時間があるときには、国際協力やご自身の生き方、考え方について多くのお話を伺い、Kigali Genocide Memorialに案内していただきながらルワンダ紛争について学んだり、Kimironko Marketで色とりどりのアフリカ布や多様な食材を見て、アフリカの文化に触れることができました。
留学中は、義肢装具所と同じ敷地内にあるゲストハウスに滞在しました。近くのスーパーで購入した野菜や果物、日本から持参した食材を使い、自炊をしていました。何度か真美さんにルワンダ料理やエチオピア料理のレストランへ連れて行っていただきました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:タクシー

- 円

義肢装具所前で真美さんとガテラさんと
Kigali Genocide Memorial
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:タクシー

- 円

2024年
11月~
2024年
11月

ルワンダ共和国(キガリ)

JICAが支援する私立小学校で、5日間の授業インターンをしました。留学前は、この学校を支援しているNPOの理事長やスタッフの方々に対応していただきましたが、現地では海外青年協力隊の先生にお世話になりました。
ルワンダでは珍しい音楽と絵画を授業に取り入れた学校で、音楽の授業ではピアノ伴奏やピアニカ指導を行い、日本の歌「上を向いて歩こう」を紹介しました。絵画の授業では、子どもたちに将来の夢をテーマに描いてもらいました。算数の授業では、協力隊の先生が九九を覚えるためのカードを手作りする作業を手伝って一人一人が暗唱するのを見守りました。体育では、二人三脚やサッカーを一緒に楽しみました。
また、日本から鍵盤ハーモニカとリコーダーを集め、2つの学校へ寄付しました。ルワンダの子どもたちは英語で教科を学び、さらに公用語であるキニアルワンダ語やフランス語の授業、ICTの授業もあり、見学しました。授業は先生が黒板に書いたことを生徒がボールペンでノートに書き写すのが基本で、テスト問題や解答もすべて手書きです。私が子どもたち全員のノートに漢字の当て字で名前を書いたところ、すぐに隣りのページに上手に漢字を書いてそれぞれ見せにきてくれて驚かされました。
ルワンダでは慢性的な教員不足が課題となっています。インターン初日に「音楽、フランス語、ドローンの授業もお願いね」と言われて驚きましたが、私が16歳だと伝えると、今度は校長先生が驚いていました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

学園の子どもたちと
音楽室にて
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ルワンダでは自炊していました

義肢装具所NGOに受け入れていただく際、「ルワンダ滞在中はずっとゲストハウスに宿泊して自炊をすること」が条件でした。普段、料理をする習慣がない私にとって、最初は「アフリカで毎日食事を作るなんて無理」と思いましたが、協力隊員さんのSNSで紹介されていた美味しそうな投稿を見ているうちに、意外と楽しめるかもと気持ちを切り替えることができました。
ガスコンロを使ったことがなかったので、カセットコンロで鍋を使ってご飯を炊く練習をしました。体調を崩した場合に備えて、日本から、栄養食、お味噌汁や雑炊のドライフードなども持参しました(幸い、現地で体調を崩すことは一度もありませんでした)。念のため、水を介した感染症対策として、A型/B型肝炎と腸チフスの予防接種も受けました。
ゲストハウスには広い共同キッチンがあり、滞在中は宿泊者は私一人だったため快適そのものでした。大きなガスボンベがあり、最初はなかなか火が着かなくて苦労しましたが慣れて、調理器具や食器、調味料が自由に使えました。飲水や調理用の水は、ゲストハウス隣のミネラルウォーター屋で購入しました。おにぎりを作って、おにぎりアクション(おにぎりの写真を投稿するとWFPが支援するプロジェクトに寄付される仕組み)にも2回投稿しました。フルーツが豊富でパイナップルを丸ごと切ったりアイスやパフェを作ったり、ルワンダでの自炊生活はとても楽しかったです。

新鮮なルワンダ野菜でトマト煮込み
パッションフルーツとヨーグルトでアイス作り、アボカドペースト
ルワンダでおにぎりアクション

選択して下さい

なし

エージェントやコーディネーターなしでの交渉や渡航準備

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

自炊と同様、インターンを受け入れていただく際に「現地コーディネーターは頼まないこと」が条件でした。16歳で渡航する私の安全を最優先に考えて、責任の所在を明確にするためでした。トビタテに合格した4月に正式に受け入れをお願いして、メールを何度もやり取りして、安全対策や心構えについて毎回長文でアドバイスをいただき、質問にも丁寧に回答していただきました。
用意されたプログラムなどではないため、基本的に高校生が現地の義肢装具所でできることはほとんどないのですが、それでも、インターンでどんな経験を得たいのかをしっかり考えながら、渡航準備を進めました。インタビューのアポイントメントは自分で直接行いました。2つ目の受入先は、ルワンダ人の方で、自己紹介ファイル添付したメールを送ったもののしばらく返信がなく、その後、ルワンダの方はメールはあまりチェックしないことを知りました。最初はメールから→SMS→WhatsAppでテキストメッセージ→WhatsAppでオンラインミーティングと、次第にレスポンスの良い連絡手段が見えてきました。質問も一度に2つ以上送ると返事がもらいにくかったので、1つずつ送るようにしました。
渡航準備では、航空券、ビザ、保険の手配を、母と一緒にオンラインで行いました。予防接種は、渡航外来や真美さんに相談してアドバイスをもらい、国際協力グローバスフェスに行って相談したり、SNSでルワンダ協力隊員の経験者に質問させていただいたりしました。いろんな方のサポートがあって留学準備を進めることができました。関係者のみなさんと1対1でお話する機会が多く持てたので、高校生の私に本音を話してくださることもあって、準備に時間はかかりましたが得られたものも多かったと思います。

オンラインでビザ申請(私のInstagram投稿引用)
オンラインでビザ申請

留学前にやっておけばよかったこと

ルワンダの公用語はキニアルワンダ語、英語、フランス語、スワヒリ語ですが、義肢装具所のガテラさんはスワヒリ語を話し、真美さんとの会話もスワヒリ語でした。少し英語も話せると聞いていたため、英語でのコミュニケーションを想定し、スワヒリ語は挨拶程度しか覚えていませんでした。カタカナで読んでも意外と通じたので、スワヒリ語やルワンダ語をもっと勉強しておけば良かったと感じました。

留学を勧める・勧めない理由

私は学校の課題で日常的にリサーチを行い、できる限り公的な情報を引用するようにしていましたが、留学を通じて、公的な情報であっても必ずしも事実と一致するとは限らないことに気づきました。現地ではデリケートな問題を目の当たりにすることもあり、そうした情報はなかなか公にはなっていなかったりするので、やはり自分の目で確かめることは留学の大きな価値だと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

私は、小学生の頃に、高校生のトビタテ生と出会って、自分もトビタテに応募したいと思いました。
トビタテは「好きなこと留学!とりあえず好きなことで行ってみる!」です。ぜひ、ワクワクする留学を実現してください!