ネイティブレベルの語学力は本当に必要なのか?

りえ(神戸大学/ 兵庫県立尼崎稲園高等学校)
- 留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
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- 北京師範大学 漢語文化学院
- 中国
- 北京
- 留学テーマ・分野:
- 大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
「また言いそびれた…」外国語を話す場で私がよく陥る自己嫌悪です。 発音が合ってるかどうか、文法ミスの有無、相手に通じるかどうかという不安などによって、発言内容の推敲を頭の中で繰り返しているうちに、次の話題へと移ってしまい、発言すべきタイミングを逃してしまったことがよくありました。 中国語を学習し始めたときの私の目標は、中国人が私の中国語を聞いて私が日本人であることが分からないレベルの中国語を話せるようになることでした。 ですが、留学に来てから、語学はただ正確に話せるようになるだけではなく、その文化や生活といった背景まで踏まえておかないとネイティブスピーカーのレベルにはなれないことが分かりました。また、どれだけ長い間日本語に触れてきて、日本語の上手い外国人でも、やはり日本語としては不自然な箇所があることが否めないことも分かってきました。 そんな時友人のベルギー人の「なまりがあって当たり前」という言葉に大変共感しました。彼女の母語はフランス語ですが、いつも英語を使って英語圏の友人とおしゃべりしているので、彼女の英語は完璧なのだと思い込んでいました。でもちょっとしたニュアンスの違いだったり、発音だったりは、フランス語の影響が表れるのだと言われ、衝撃を受けました。 「それでも通じてるから問題ない」と彼女をフォローしたとき、同時に自分に当てはめて考えてみました。もちろん「どうせネイティブじゃないから」と語学レベルを向上させることを怠るのは良くないですが、間違いや相手の反応を恐れて発言を臆するのは本末転倒だと思います。「ネイティブじゃないから間違えて当たり前」と開き直ることは、外国語を実践の場で使う際には必要な考え方なのかもしれないと思いました。
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