礼儀正しく行動することは一番の防衛術である
保坂 英志(秋田工業高等専門学校/ )
- 留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
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- グアナファト大学工学部
- メキシコ
- グアナファト
- 留学テーマ・分野:
- その他のテーマ
私が留学するにあたって、多くの日本人から留学地の治安について心配されました。私自身も治安について心配しながら、留学地に出発したことを覚えています。 しかし、その心配は必ずしもする必要のない心配であったと考えます。なぜなら、留学中に治安が問題となるような課題に直面したことはなかったからです。もちろん、最悪の場合を想定し、2重3重の対策を立て、慎重に行動することは安全を確保する基本と考えますが、もっとも安全を確保するうえで重要なことは、「礼儀正しく行動すること」だと感じます。礼儀正しく行動することで、悪目立ちしないことはもちろんのこと、何か困ったことがあった時に誰かが手を貸してくれます。 私は留学中にどんな人にも挨拶をすることを心掛けました。これは、なるべく多くの人の私に対する心象を良くしておいて、何か困ったことがあったときに味方になってくれる人を増やしておこう実利主義的な考えに基づくものです。道ですれ違う時に帽子を持ち上げたり、目があったら微笑み返すなど、簡単な動作しか行いませんでしたが、物を落とした時に届けてもらったり、道を教えてくれたりと少なくない効果があったと感じています。 よって、出発前に何人か日本人の知人や先生からされた助言のように、道行く人を皆スリとして扱ったり、話かけてくる人を追い払ったり、服装で付き合う人を選択したりするのは、よい安全確保の方法とは言えないのではないかと疑問に思います。武田信玄の「人は城 人は石垣 人は堀 情けは味方 仇は敵なり」という発言が示すように、治安や安全に関する最大の防衛術は、礼儀正しく行動することであると、私は考えます。
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