心身の健康・安全を最優先し、適切な人・場所にたどり着くまであきらめずに助けを求め続けること
永田 真子(筑波大学/ 西大和学園高等学校)
- 留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
-
- ボアズィチ大学カンディリ天文台地震観測所
- トルコ
- イスタンブル・被災地
- 留学テーマ・分野:
- 大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
トルコで外国人かつ女性として被災地に暮らし、言語や文化、制度の違いに戸惑う中、研究と社会活動を両立する日々は困難の連続でした。留学中、地震や経済危機によって治安が悪化し、事件に巻き込まれるという深刻な経験をしました。言葉も制度も不慣れな中、パニック状態で何が正しい判断か分からず、助けを求めることすら難しく感じました。加えて、周囲との関係悪化や留学の中断を恐れ、声を上げられずに苦しんだ時期もあります。しかし、どんなに重要な研究や計画があっても、最優先すべきは自分自身の心身の安全であることを強く実感しました。我慢して何とかやり過ごそうとしても、後になって体調を崩したり、誤解や不信を招いて活動が継続できなくなるといった形で、必ず影響が出ます。 実際、助けを求めた中には、被害の詳細を聞くだけで何もしなかったり、制度に関する誤情報を与えたり、被害者を責めるような言動をする人もいました。その一方で、私の話を最後まで丁寧に聞き、専門的な知識で支えてくれた人たちもいます。特に、現地の弁護士会で無料相談に従事する弁護士や、女性の権利を支援するカウンセラーの存在は心強く、適切な情報と行動を得るための鍵となりました。 こうした体験を通じて、たとえ国や文化、制度が違っても、人の痛みに寄り添い、行動してくれる人は必ずいると学びました。事件や困難に直面したときは、怖くても、心折れそうでも、信頼できる場所にたどり着くまで声を上げ続けてほしい――それが私自身の実体験から伝えたいことです。
続きを見る