何も進まなかった4か月間

高木一樹(東洋大学/ 足利高校)
- 留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
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- 東洋大学 国際地域学部
- ラオス
- ヴィエンチャン
- 留学テーマ・分野:
- その他のテーマ
「かけ算九九のうた」プロジェクトが生まれる前の話。2014年の10月から、僕はラオスの田舎のサワンナケートという場所のとある学校でプロジェクト立ち上げに挑戦していた。そこではパソコン室が学校の敷地内に二か所存在していた。僕はそのパソコン室の使っていない時間帯に、生徒たちが映像授業を通して授業をもう一度復習できるようにしようという計画をその地で出会った若い先生たちと企画していた。しかしラオスは共産主義。許可や申請には僕のような学生のそれも個人レベルでは大変困難であるものだと知った。それでもその地の生徒たちのより快適な学習環境や、教室で見かけた勉強で躓いてカンニングをしないと進級を狙えないような生徒たちの打開策を生み出したく、期間がかかることを恐れずに許可申請のための書類を協力者とともに作成した。学長に提出したものの1ヶ月経っても教育省からの返答は来ることはなかった。そして2014年から2015年へと新年を迎えた。タイミング悪く、もともと僕に学校で活動する許可をくれた学長が退任を迎え、新しい学長へと変わってしまった。追い打ちをかけるかのように、学校に一通の通達が届いた。それは部外者をむやみに校内にいれないようにという内容のものであった。新しい学長からも、許可をすることができないという返事を受け、僕はその学校を去らなければならない状況になってしまった。ここまでで4か月が経過していた。ぼくの留学期間はのこり9か月間。悲しみに浸っていても時は過ぎてしまうばかり。僕は諦めずに足を動かし、一度首都に戻って再出発を決意。そこからおよそ2週間後に出会ったひとりの先生が、「かけ算九九のうた」のプロジェクトを共にしたプロジェクトパートナーであった。桜を植えるという一風変わったイベントでの出会いであった。
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